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受売
「受売〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受売の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
て、実は一向に解って居らん人の云うことだよ。失敬だが君は西洋の真似、即西洋文芸の
受売するような事を、今の時代精神と思ってるのじゃないか。それじゃあ君それは日本人....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
。そして僕のような子供をつかまえても議論ばかりしていた。僕も負けない気で、秋水の
受売りか何かで、盛んに泡を飛ばした。 それから、この佐々木の友人で、フランス語....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
のことを書いたのは、ある老人からそれに因んだ昔話を聞かされたからである。その話の
受売りをする前提として、昔もこういう事があったと説明を加えて置いたに過ぎない。 ....
「城」より 著者:カフカフランツ
を跳ねのけた。「そんなに大げさなことじゃないんです。それはただ村の人びとの考えの
受売りなんですよ。さあ、もうお帰りなさい、婚約者のところへお帰りなさい。あなたが....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
を失う善良な人に限って、山賊に大きくやられるものなんだね。 安吾巷談を
受売りして千円の罰金をとられた話 謹啓、本当はこの手紙は坂口さんに読んで戴き度....
「青春論」より 著者:坂口安吾
小説などで表わす以上に、光彩|陸離たる個性を表わしているのである。以下、吉田氏の
受売りをして、すこしばかり武蔵の戦法をお話してみたいと思う。ただ、僕流にゆがめて....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
やれリアリズムだ、やれナチュラリズムだ、やれくしゃくしゃイズムだと、人様の考えを
受売りして来ただけの話さ。二十五年のあいだ、あいつが喋ったり書いたりして来たこと....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、かれこれ損害の分を差引き、平均一割の儲けとなればごく上出来である。こうして普通
受売屋の一日の売上げ二円より三円五六十銭を普通とし、四五円を得る店は甚だ稀れであ....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
な事に相違ない。彼の会話の断片を基にしたジャーナリストの評論や、またそれの下手な
受売りにどれだけの信用が措けるかは疑問である。ただ煙の上がる処に火があるというあ....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
、K先生という、少し風変り、というよりも奇行を以て有名な漢学者に教わった友人達の
受売り話によって、孔子の教えと老子の教えとの間に存する重大な相違について、K先生....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
に恐らく一つの基礎を置くことになるだろうからだ。多分この種の「倫理学」の讃美者や
受売人は方々に、アカデミックな研究室に、又は俗悪な半「学術」雑誌の内に、多いこと....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
した。思想の底に触れない相手の微笑が、自然と、彼をも微笑ました。 「なあに、みな
受売りです。」 「
受売り……。」 そして、杉本の微笑につりこまれて、突然声高に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
笑って、 「ここの石に刻《きざ》んであるからそれで知ったのだ」 「ははあ、石碑の
受売りか。その石碑もまた相当に古色があって面白い、年代はいつごろだろうか知ら」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たしが、そんなに物識《ものし》りなのではございません、みんな白骨温泉の炉辺閑話の
受売りでございますから、買いかぶらないように、お聞き下さいましよ」 ここで、今....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
膳は受身で、お絹だけが乗り気になって、珍しいものの数々を、ひとり合点《がてん》の
受売り話みたようなものです。 「それからねえ、異人にもずいぶん、別嬪《べっぴん》....