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受容
「受容〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受容の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
》わし、同じような悲運な事情で寺へ泣付いて来る者がたくさんあって、それをいちいち
受容《うけい》れていたのでは寺が堪《たま》りません。まして女人の身、いっそう都合....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
しなかった。たまたま崖邸から女中が来て、苦情を申立てて行くと、その場はあやまって
受容れる様子を見せ、女中が帰ると親達は他所事のように、復一に小言はおろか復一の方....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
◇ 恩に感ずる事なぞも非常に強く深かった。愛婿野中到氏の言葉なぞは無条件で
受容れていたらしい話が残っている。所謂虫も殺さぬという風で、何か不本意な場合に立....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
迄見なかった質的特有性とならねばならぬのである。 すでに批評は、鑑賞は、単なる
受容の資格にまで上昇させられる。 実際、単に批評とだけいうならば、ジャーナリズ....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
実践の第一歩としての役割だが、この役割が全く忘れられて了って、感性は単に受動的な
受容性の能力にしか過ぎなくなり、独自の自発性を有たぬものと考えられる。実際カント....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
むと共に同時に暴風や洪水として人間を脅かすというモンスーン的風土の、従って人間の
受容的、忍従的な存在の仕方の二重性の上にここには更に熱帯的、寒帯的、季節的、突発....
「辞典」より 著者:戸坂潤
ゲル風の弁証法的運動ではない。之に相応してフォイエルバハは、人間をば、単に自然を
受容する能力たる感性によって特色づける。と云うのは人間は自己の実践によって自然に....
「巴里のむす子へ」より 著者:岡本かの子
を進めて下さい。」 お前は最近の手紙にこう書いた。私はおまえのいうことを素直に
受容れる。だが、この言葉はまた、おまえ自身、頑な現実の壁に行き当って、さまざまに....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
く陰気で、清楚で無いところに特色があった。僕には、テエーヌなどの議論も或程度まで
受容れていいような気持がその時して居た。 Bezirksmuseum というの....
「日映の思い出」より 著者:坂口安吾
織が自分をまもるにコチ/\の団結力をもっていて、自分達の才能のレベル以上のものを
受容れる能力、創造的な開放力をもっていない。 U氏には全権があるのだから、押し....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
つ、書を読む習慣を養わなければならないのである。 他人の生と労作との成果をただ
受容してすまそうとするのは怠惰な態度である。というのは生と労作は危険を賭し、血肉....
「地上」より 著者:島田清次郎
光」に生き写しの女を見たのだ! が、それは一瞬間のことで、平一郎が全力で綜合的に
受容れた深い印象であった。人の生涯にあるかなしの本質と本質との照合だったのだ。彼....
「クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
も本質が変って来るからだ。主張は一つの敵本主義を仮定する。之はもはや常識の単なる
受容ではない。――だが更にそういう主張それ自身が、又やがて一つの常識の内容となる....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
・縉紳の上についてのことでなくて、成り出者の武将などに多かったのであって、和歌の
受容のされ方を知るによい証拠になることである。それに、歌人全体として考えても、新....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
定して、之が構成に対立するものである所以を説いた。その意味で統制というものは専ら
受容的な反省的な否定的なもので、自分で内容を造り与えてやるものではないことを説い....