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口切り
「口切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
た。林之助とお里との名を結びつけて、お絹の前に黒い影を投げ出したのもお花が第一の
口切りであった。しかしお花が自分に対してそんな無責任な嘘をつこうとは、お絹もさす....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、立派な帝釈様がある。それは幾らですえ」と、半七はそらとぼけて訊いた。 それを
口切りに、半七はこのあいだの探幽斎の掛物のことを話し出した。 「わたしはあれを買....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たくし共にもお馴染の深いものですから、毎朝の楽しみにして読んでいます」 それが
口切りで、けさは由井正雪のうわさが出た。老人は商売柄だけに、丸橋忠弥の捕物の話な....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
合戦が何か捕物に関係があるんですか」 「大ありで、それが妙なんですよ」 これが
口切りで、わたしは今夜もひとつの新らしい話を聴き出すことが出来た。 万延元年六....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けれど、それでも飛んでもない災難に逢った子供が幾らもありましたからね」 これが
口切りで、老人は語り出した。 「今の方は御存知ありますまいが、外神田に田原屋とい....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
た。
「ところで、遺産の配分ですが」と熊城が、真斎の挨拶にも会釈を返さず、性急に
口切り出すと、真斎は不遜な態度で嘯いた。
「ホウ、四人の入籍を御存じですかな。い....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
かと見るまに、笑止です。居合わした二十名近くの藩士達が、いずれもプツリプツリと鯉
口切りつつ、それが最初からの手筈ででもあるかのごとくに、じりじりと主水之介の周囲....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
た己れ達の面目が立たぬと言わぬばかりに、蟀谷のあたりをぴくぴくさせて、プツリと鯉
口切りながらにじり出たのを、片手にふわりふわりと長い釣の道具を打ち握ったままで、....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
、どなたからと申すよりも、やはり前回の先例にならいまして、今晩もまず星崎さんから
口切りを願うわけにはまいりますまいか。」 星崎さんは前回に「青蛙神」の怪を語っ....
「鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
再びわたしの座敷へ挨拶に来た。 「あすはお発ちになりますそうで……。」 それを
口切りに、夫人は暫く話していた。入梅はまだ半月以上も間があるというのに、ここらの....
「火薬庫」より 著者:岡本綺堂
、どなたからと申すよりも、やはり前回の先例にならいまして、今晩もまず星崎さんから
口切りを願うわけにはまいりますまいか。」 星崎さんは前回に「青蛙神」の怪を語っ....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
のたなばたの夜に久しぶりで雨があった。つづいて翌八日の夜にも大雨があった。それを
口切りに、だんだん雨が多くなった。 こういう年は、いわゆる片降り片照りで、秋口....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
いえば、田島さんはうなずいて「御同様に忙がしいことが出来ました。」という。それを
口切りに、二人のあいだにはいろいろの会話が交換されたり。だんだん聞けば、予の留守....
「馬妖記」より 著者:岡本綺堂
「大勢がいろいろ世話になるな。」と、茂左衛門はその湯をのみながら言った。それが
口切りとなって、おもよは海馬の話をはじめた。茂左衛門も心得のためにいろいろのこと....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
に糸織に自己が好き好きの衣着て寒さに向う貧者の心配も知らず、やれ炉開きじゃ、やれ
口切りじゃ、それに間に合うよう是非とも取り急いで茶室|成就よ待合の庇廂繕えよ、夜....