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口合
「口合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口合の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
金三千両の醵出を約したことなぞはなおなおもってのほかだと言われよう。しかし、砥沢
口合戦の日にも和田峠に近づかず、諏訪松本両勢の苦戦をも救おうとせず、必ず二十里ず....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
時、魚のえらを離しさまに手の小指を少し怪我《けが》しけるが痛みは苦にせねど何がな
口合《くちあい》がいいたさに南無三《なむさん》、手を鯛のえらでいわしたア痛い、こ....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
れだけはよして頂戴よ。ししょう……もようもない、ほほほ。こりゃ、これ、かみがたの
口合や。」 と手の甲で唇をたたきながら、 「場末の……いまの、ルンならいいけど....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
附けることは、女も以前からしばしば聞かされたものです。ことに清澄の茂太郎は、この
口合いを喜んで、例の出鱈目《でたらめ》を日本語で唄い終っては、その最後へ、これに....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
風流のための一座でないこともわかっている。地所家屋のことが口に上ったのは、当座の
口合いだけのもので、この船は別に何か目的あって沖に向って進むものらしい。 宿へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さって行って――ようやく忘我の妙境に深入りして行く。 トコトンヤレ トンヤレナ
口合いの口拍子だけは、いっかな変らない。惜しいことに、今晩もまた、無料無見物の中....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
夫婦になれば 出来たその子が また、おっちょこちょい これは、ふざけたような
口合い唄でありますけれども、また一面の真理たるを失わない。 おっちょこちょいの....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
あって、これには選句の中へ簡単なる評語を挟んだので、世間では頗る受けたが、余りに
口合的になるので、子規氏は機嫌がよくなかった。また太陽に同人の俳句を出す事も、そ....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
あの畜生だ、あの泥棒猫の仕業だ」と怒っている。師匠の家にも三毛猫が一匹いるが、裏
口合せの長屋の猫が質が悪く、毎度こちらの台所を荒らすところから、疑いはその猫に掛....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
な素早い仕事が出来よういわれがない。 念のため、一人ずつ糺明して見たが、双互の
口合いからおして、一人として錠口までも来たものがないことがわかった。娘の花世に訊....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
るようなチョロッカなことじゃ何の足しにもなりはしない。それくらいのことなら四人の
口合いでも出来ることだし、ひょっとすると、そのうちの誰かが里春の声色《こわいろ》....
「獅子舞雑考」より 著者:中山太郎
土人その社の神体の如く崇敬す。相伝ふ、昔はその民家の悪気を追ふとて、箕《み》を二
口合せて、獅子の頭に擬似して戸々を巡り、その祭り畢《おわ》るときは、燎火にて焼棄....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
というのは、今なら至って微弱なるダジャレに過ぎないが、形が歌の通りでこんな意外な
口合いを含んでいたのだから、あの時代の宮廷人は腹をかかえて笑ったに相違ないのであ....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
引掛けて木に登りとからかうと、一方また猿に対して狗といった、つまりは平凡なただの
口合いではあるが、「狗のような法師」はあのころのはやりで、旅の連歌師などが自らを....