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口惜しい
「口惜しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口惜しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
せたが最後、きっと喉笛《のどぶえ》に噛《か》みついてやるから。口惜《くや》しい。
口惜しい。
口惜しい。(黄泉《よみ》の使をこづきまわす)
使 まあ、待って下さい....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
もかかわらず、私といわず、お前たちも行く行くは母上の死を何物にも代えがたく悲しく
口惜しいものに思う時が来るのだ。世の中の人が無頓着だといってそれを恥じてはならな....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
ゃんは弟だから可愛がるんだと仰有ったって、八っちゃんが頬ぺたをひっかけば僕だって
口惜しいから僕も力まかせに八っちゃんの小っぽけな鼻の所をひっかいてやった。指の先....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
うすると、主税さんの許へ、毎日朝から行って、教頭なんかに見せつけてやるのにねえ。
口惜しいわ、攫徒の仲間だの、巾着切の同類だのって、貴郎の事をそう云うのよ。そして....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
めてこうして居とうござんす。 図書 や、天守下で叫んでいる。 夫人 (屹となる)
口惜しい、もう、せめて一時隙があれば、夜叉ヶ池のお雪様、遠い猪苗代の妹分に、手伝....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
を、酒焼の胸に引掴み、毛脛に挟んで、 「立たねえかい。」 十三 「
口惜しい!」 紫玉は舷に縋って身を震わす。――真夜中の月の大池に、影の沈める樹....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
と思った。はっと髪結さんが抜戻した発奮で、飛石へカチリと落ちました。…… ――
口惜しい――とお稲ちゃんが言ったんですって。根揃え自慢で緊めたばかりの元結が、プ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
った。」 三 「だから、何だか容易ならん事が起った、と思って、……
口惜しいが聞くんです。 実はね、昨夜、中座を見物した時、すぐ隣りの桟敷に居たん....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
になって焼いちまってくれればいいのに。」 しばらく、声も途絶えたのである。 「
口惜しいわ、私、小県さん、足が上へ浮く処を、うしろから、もこん、と抱込んだものを....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
、そんなことで世の中が通るものか。言ようもあろうのに、ナニ姉弟分だ。)とこうさ。
口惜しいじゃあないかねえ。芳さん、たとい芳さんを抱いて寝たからたッて、二人さえ潔....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
お前さんばかりじゃない、人のことより僕だって大変だ。死んでも取返しのつかないほど
口惜しいから、心にだけも盲目になったと思うまい、目が見えないたあいうまいと、手探....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
きない……箸を執っても一|向食物が喉に通らない……心の中はただむしゃくしゃ……、
口惜しい、怨めしい、味気ない、さびしい、なさけない……何が何やら自分にもけじめの....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
、笑われて、慰にされて、嬉しがられて、眼が血走って、髪が動いて、唇が破れた処で、
口惜しい、
口惜しい、
口惜しい、
口惜しい、蓄生め、獣めと始終そう思って、五年も八年....
「多神教」より 著者:泉鏡花
身につけて出ましたのです。そして……そして……お神ぬし様、皆様、誰方様も――憎い
口惜しい男の五体に、五寸釘を打ちますなどと、鬼でなし、蛇でなし、そんな可恐い事は....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
ゃ。」 「されば、」 「その代り返す手で、我が咽喉を刎ね切った遊女の姿の見事さ!
口惜しい、
口惜しい、可愛いこの人の顔を余所の婦人に見せるのは
口惜しい! との、唇....