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口書
「口書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口書の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「護持院原の敵討」より 著者:森鴎外
目附等に、手附が附いて来たのである。見分の役人は三右衛門の女房、伜宇平、娘りよの
口書を取った。 役人の復命に依って、酒井家から沙汰があった。三右衛門が重手を負....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
何うしても遁れることは出来ませんので、町奉行筒井和泉守様は拠ろなく、それ/″\の
口書を以て時の御老中の筆頭|土井大炊頭様へ伺いになりましたから、御老中|青山下野....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
月二十九日に、半蔵は東京裁判所の大白洲へ呼び出された。その時、彼は掛りの役人から
口書を読み聞かせられたので、それに相違ない旨を答えると、さらに判事庁において先刻....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を見て、こう言いました。 「なるほど」 辻番の一人は、矢立と紙を出して、お蝶の
口書《くちがき》を取ろうとするものらしい。 「帯は茶の献上博多《けんじょうはかた....
「高瀬舟」より 著者:森鴎外
に知ることができた。所詮町奉行の白州で、表向きの口供を聞いたり、役所の机の上で、
口書を読んだりする役人の夢にもうかがうことのできぬ境遇である。 同心を勤める人....
「奥の海」より 著者:久生十蘭
、お船方は総体打首。お船手御小人は切腹を申付けられることになろう……。もっとも、
口書をとって盛岡へ送り、御用部屋へおさまるまでには、早くとも三日はかかる」 川....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
体、どこへ」 「わかってるじゃねえか、顎化《あごばけ》と一騎打ちに行くのだ。……
口書《くちがき》も爪印《つめいん》もあるものか、どうせ、拷問《いた》めつけて突き....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
だときわめをつけ、十歳《とお》になる伜《せがれ》もろとも番屋へひきあげ、追っつけ
口書をとろうとしているというのに、北の大将は餓鬼《がき》どもにまじって、火除地の....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ために、雇われて来ているのである。
はじめは気の変わりやすい、怒りっぽい惣七の
口書きをすることは、大変な仕事だったが、それも、慣れてしまうと、このごろのように....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
いぶ水を呑んでいたので、その手当てにも追われていたんで」 で――眼八の腹の中の
口書は、さっき、中年の小僧がしゃべった話とぴったり継目が合ってきた。 「そうか、....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、直接、袁紹を拝してそう熱願した。 もちろん証拠の一書も見せ、生擒った密使の
口書きもつぶさに示しての上である。 「どうする。五千の兵を汝に持たせたら」 「間....
「三国志」より 著者:吉川英治
で、そのことだけは、誓って、天地に辱じるものではございません」 「よし。退がれ」
口書を取って、さらに、孔明は魏延や高翔を呼出して、一応の調べをとげ、最後に、 「....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
に引き据えられれば、一応の答えはしているのに、小野の文観ひとりは、空うそぶいて、
口書一つ取らせず、役人たちでは、どうにも手におえなかった。ただ、両探題直々ならば....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
の押込み五人組の強賊の――かおだちや年頃やらが、山善の召使や、重傷を負った夫婦の
口書などにより、かなりな輪廓が、それには、浮かび出ている。 そのほか、江戸橋自....