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「口碑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口碑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
でも、独逸《ドイツ》でも、墺太利《オウスタリ》でも、西班牙《スペイン》でも、この口碑が伝わっていない国は、ほとんど一つもない。従って、古来これを題材にした、芸術....
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
しばしば人畜を害したので、須藤権守《すどうごんのかみ》という豪傑が退治したという口碑が伝わっている。現に今でもこの山中にはなかなか毒蛇が沢山いるという事だ、御用....
忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
するばかりでなく、無辜《むこ》の良民を捕えて、これに凶刃を加えるに至った。ことに口碑《こうひ》に残る「石の俎《まないた》」の言い伝えは、百世の後なお人に面《おも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
出して、三ガ日の間ふり通した結果は、八百八町を真っ白に埋めてしまった。 故老の口碑によると、この雪は三尺も積ったと伝えられている。江戸で三尺の雪――それは余ほ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
恐らく「彼」ですら知らないであろう。 この深きに徹した詩的の記述は本来原始民の口碑という部類に属すべきものではなく、むしろ甚だ高い発達の階級に相当するものであ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
針を取ったのである。 それもまた容易に判らなかったのであるが、古い記録や故老の口碑をたずねて、南北朝の初め頃まではここに越智七郎左衛門という武士が住んでいたこ....
海底都市」より 著者:海野十三
そろしい陥没地震《かんぼつじしん》などのために、地上の生物はいくたびか死に絶え、口碑伝承《こうひでんしょう》もとぎれ、記録も流失紛失《りゅうしつふんしつ》して、....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
しい声を絞って。」 この時|婦人は一息つきたり。可哀なるこの物語は、土地の人|口碑に伝えて、孫子に語り聞かす、一種のお伽譚なりけるが、ここをば語るには、誰もか....
黒百合」より 著者:泉鏡花
蝦茶のリボン、勇美子が下髪を留めていたその飾である。 十 土地の口碑、伝うる処に因れば、総曲輪のかの榎は、稗史が語る、佐々成政がその愛妾、早百合....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
あまりにも名高き史的事蹟であります。その際小櫻姫がいかなる行動に出たかは、歴史や口碑の上ではあまり明らかでないが、彼女自身の通信によれば、落城後間もなく病にかか....
鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
わせた。 沈鐘伝説などということを、ここでは説かないことにしなければならない。口碑によれば、むかし豊島郡石浜にあった普門院という寺が亀戸村に換地をたまわって移....
こま犬」より 著者:岡本綺堂
、いずれにしても、ここらでかなりに激しい戦闘が行なわれたのは事実であると、故老の口碑に残っている。 ところで、その岡の中ほどに小袋明神というのがあった。かの小....
黄金の腕環」より 著者:押川春浪
たと覚しき場所へは、余程の勇士でも其夜直ぐに行くのは厭がると云う、爾して昔からの口碑にも、流星の消えた場所には何か不思議な物が落ちて居ると云われて居る、夫れは本....
南極の怪事」より 著者:押川春浪
沙漠を見渡すチュス付近に、古代の文明を集めたる一王国があって、その名は瑠璃岸国と口碑に伝えられているが、この国の最も盛んなりし頃、一人の好奇なる国王あり、何か物....
小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
を命じられたということである。こんな話が昔からいろいろ伝えられているが、要するに口碑にとどまって、確かな記録も証拠もない。 小坂部明神なるものが祀られてあるに....