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「口答〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口答の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の夜」より 著者:芥川竜之介
つけつけと口小言《くちこごと》を言った。が、二十一になる清太郎は滅多《めった》に口答えもしたこともない。ただ仰向《あおむ》けになったまま、たいていはじっと目を閉....
或る女」より 著者:有島武郎
せるでもなくそういって、倉地はまた古藤のほうに向き直った。古藤はこの侮辱に対して口答えの言葉も出ないように激昂《げきこう》して黙っていた。 「答えるが恥ずかしけ....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
まるで自分の目の前には誰ひとりいないもののように、そんなことにはうんともすんとも口答え一つしなかった。こんなことは彼の執務にはいっこうさしつかえなかったのである....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
雑誌」へ小説を投稿して没にされたことを想い出したりした。ひょっとしたら面会の時の口答試問ではねられるかも知れないと心配もするなど、豹一はそわそわと落ち着かなかっ....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
ぬかれたでのう。家や田畑は、弟に取られるしな、食物もろくろく食わせらんし、なんぞ口答えすると、弟三人がよってたかって殴ち打擲するんじゃもの。 村人五 けど、阿呆....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
婿にいった気にならあね」 「よけいな返答をこくわ」 つけつけと小言を言わるれば口答えをするものの、省作も母の苦心を知らないほど愚かではない。省作が気ままをすれ....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
をゆるめて行く。監督がどんなに思いッ切り怒鳴り散らしても、タタキつけて歩いても、口答えもせず「おとなしく」している。それを一日置きに繰りかえす。(初めは、おっか....
地軸作戦」より 著者:海野十三
日前に届いたのか。書類というはよく途中で紛失するものだ。そういう重大なることは、口答でするように」 「申訳ありません。では失礼を」 クレメンスキーが、こそこそ....
落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
わいわいさわいでいる中に、たえず信二郎のことは忘れませんでした。信二郎は姉の私に口答えもせず、いい子でしたけれど、私のともすれば行動にまで出る愛撫をきらっており....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
の多い長い髪の毛などが、優美である筈なのに私には不潔なものだとしか思えなかった。口答試問ばかりで四つの部屋があり、第一の部屋が、校長の面接であった。 「何故、こ....
化鳥」より 著者:泉鏡花
ン中だの、山奥だの、私の知らない、分らない処のことばかり譬に引いていうんだから、口答は出来なかったけれど、ちっともなるほどと思われるようなことはなかった。 だ....
家なき子」より 著者:楠山正雄
とおりにしろと目で知らせた。しかしこの警告を待つまでもなかった。わたしはひと言も口答えをしようとは思わなかった。 たいていのびんぼう人の家がそうであるように、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いうのは、まだ若いのに、無口で、寂しい顔立ちをした女でした。やかましく叱られても口答もせず、いつもいいつけられた通りに牛乳瓶の消毒などをしていました。何か面倒な....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
しが今更のように思い出された。 志願書を出して間もなく選衡試験が行われる。その口答試問の席上で、志願の動機や家庭の情況を問われた時、 「姉妹二人の暮しでしたが....
五重塔」より 著者:幸田露伴
きかぬ気の夫の制するものを、押し返して何ほど云うとも機嫌を損ずることこそはあれ、口答えの甲斐は露なきを経験あって知り居れば、連れ添うものに心の奥を語り明かして相....