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口説
「口説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
、声はヴァイオリンのごとく優しくって、言葉は詩のごとく気が利《き》いていて、女を
口説《くど》く事は歌骨牌をとるごとく敏捷で、金を借り倒す事は薩摩琵琶をうたうごと....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
た。僕は一夜大森の魚栄でアイスクリイムを勧められながら、露骨に実家へ逃げて来いと
口説かれたことを覚えている。僕の父はこう云う時には頗《すこぶ》る巧言令色を弄《ろ....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、行ってみさっしゃいご亭主《ていしゅ》は無事じゃ、いやなかなか私《わし》が手には
口説《くどき》落されなんだ、ははははは。)と意味もないことを大笑《おおわらい》し....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
「それ見ろ、早瀬、」 「何だ、お前、」 「いいえ、貴下、この花を引張るのは、私を
口説くのと同一訳よ。主があるんですもの。さあ、引張って御覧なさい。」 と寄ると....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
らと思うほど、五体がみしみしするけれど、下女にまで笑われるくらいだから、母にこそ
口説いたものの、ほかのものには決して痛いなどと言わない。 省作は今年十九だ。年....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
しめやかに言った。 「厭な事だ。」 「大層嫌うな。……その執拗い、嫉妬深いのに、
口説かれたらお前はどうする。」 「横びんた撲りこくるだ。」 「これは驚いた。」 ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ん、熊坂ではなく、賽の目の口でも寄せようとしたのであろう。が、その女|振を視て、
口説いて、口を遁げられたやけ腹に、巫女の命とする秘密の箱を攫って我が家を遁げて帰....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
と、たそがれの立籠めて一際漆のような板敷を、お米の白い足袋の伝う時、唆かして
口説いた。北辰妙見菩薩を拝んで、客殿へ退く間であったが。 水をたっぷりと注して....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
ましょう。 ようよう口を利かせますまでには、大概骨が折れた事じゃアありません。
口説いたり、すかしたり、怨んでみたり、叱ったり、いろいろにいたして訳を聞きまする....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「何じゃ、」と裾を掴み上げて、多磨太はずかずかと寄る。 島野は真顔になって、
口説くように、 「かねて承知なんじゃあないか、君、ここは一番粋を通して、ずっと大....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
なエルムの木の下の泉のほとりや、あるいは、黄昏のなかをぶらぶら散歩しながら、娘を
口説くのだった。この時刻は恋人が雄弁をふるうのにいちばん好都合なのである。 ど....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
すがね、笑い事じゃあるけれども、夢で般若が追廻すどころか、口で、というと、大層|
口説でもうまそうだ。そうじゃない、心で、お絹さんを……」 「私をえ?」 「幽霊に....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ようになったのは、こちらから泣附いたんです、へい。」 「手を合せて、拝みます、と
口説いたか。」 「どういたし、……手前御慮外は申しません、泣ついたのは母親でさ。....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ぐらいだけれども、娘の鼓の手が入ったのです。が説くぞ、説きます、という尼婆さんの
口説節が、あわれに、うらがなしく、昔なつかしく、胸にしみて、ぞくぞく心を揺って、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
しかし、下枝めがまた悪く強情で始末におえねえ。手を替え、品を替え、撫つ抓りつして
口説いても応と言わないが、東京へ行懸けに、梁に釣して死ぬ様な目に逢わせて置いたか....