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口頭
「口頭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口頭の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
』と、思い切ったように答えました。その時はこう云う彼の言《ことば》も、単に一場の
口頭語として、深く気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はもうその....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
すると卒業論文の題目も、やはりその範囲内にある訳ですね。」
本間さんは何だか、
口頭試験でもうけているような心もちになった。この相手の口吻《こうふん》には、妙に....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
女の給仕が豹一の表情を見てびっくりした程であった。 (こんなに腹を立てていては、
口頭試問の成績は悪いに決っている)さすがに自分にもそう言い聴かせるぐらいだった。....
「戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
るが、現実においてあらゆる事態がその無計画無能力を暴露しているにもかかわらずただ
口頭のみにおいて空疎な強がりを宣伝し、不敗を呼号して国民を盲目的に引きずって行こ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
警報の解除が、伝えられてきた。電気はとっくに切れてしまったので、ラジオが鳴らず、
口頭伝達である。一時間ばかりが、奮闘の絶頂であった。 あたりはまだ炎々と撚えて....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
し、その失いたる部分は、それを按分に分割して、他に均霑さるるものなり。
以上は、
口頭にても各々に伝え置きたり。
旗太郎にも、同様|落胆したらしい素振が現わ....
「わが町」より 著者:織田作之助
通訳長尾房之助を帯同、政庁を訪れると、ケノン少佐は移民法に接触してはならぬからと
口頭契約で、人夫九百名、石工千名、人夫頭二十名、通訳二名、合計千九百二十二名の労....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
とるか。どうだ、長谷部」 一方は九谷焼で酒をうけながら、 「ははあ、また貴様の
口頭試問がはじまったな。俺は飛行島を少しも気にしていないよ。ただ築造中の飛行島を....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
青で鋳出したような、蒼い女が遣って参り、例の孤家へ連れ出すのだそうでありますが、
口頭ばかりで思い切らない、不埒な奴、引摺りな阿魔めと、果は憤りを発して打ち打擲を....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
つの動機から霊視の他に更に霊言現象を起すことになり、本人とは異った他の人格がその
口頭機関を占領して自由自在に言語を発するようになりました。『これで漸くトーキーが....
「水の女」より 著者:折口信夫
口頭伝承の古代詞章の上の、語句や、表現の癖が、特殊な――ある詞章限りの――ものほ....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
ない。日本の歴史は、語部と言われた、村々国々の神の物語を伝誦する職業団体の人々の
口頭に、久しく保存せられていた律文が、最初の形であった。これを散文化して、文字に....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
出発点は享楽者の手からではなかった。呪言・片哥・叙事詩の三系統の神言が、専門家の
口頭に伝承せられていたのが、国家以前からの状態である。其が各、寿詞・歌垣の唱和・....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
問することになった。しかし罪人を拷問して自白させるというのは吟味方の名誉でない。
口頭の吟味で罪人を屈伏させる力がないので、よんどころなく拷問を加えて、無理強いに....
「黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
かれた本もなかった時代である。教科書もなければ、またこの幾何学は(学問の性質上)
口頭だけで教えることも出来なかった。そこでクローゼーは大工と絵具屋に頼み込んで、....