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古器
「古器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古器の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
と云うてやった時彼は懇《ねんごろ》に返事をよこして、楽しんで待ってる。君の好きな
古器物でも席に飾って待つべしとまで云うてよこしながら、親父さんだって去年はあんな....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
きとある一室の中に入れた、此の室は今まで居た室と大違い、最と風雅に作り立て、沢山
古器物杯を飾り、其の中に仙人の様に坐して居る一老人は確かにポール先生であろう、童....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
た年長者で、抽斎は平素|画を鑑賞することについては、なにくれとなく教を乞い、また
古器物や本艸の参考に供すべき動植物を図するために、筆の使方、顔料の解方などを指図....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
内者などになるのは考えものである。黒谷や金閣寺の案内の小僧でも、始めてあの建築や
古器物に接した時にはおそらくさまざまな深い感興に動かされたに相違ない。それが毎日....
「科学上の骨董趣味と温故知新」より 著者:寺田寅彦
有っている人が多数にある。これが一歩進むとその歴史に関したあらゆる記録、古文書、
古器物に対して丁度骨董家が有つような愛好の念をもってこれを蒐集する人もある。これ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
何と碩寿翁は答えるであろうか? 答えは極めて簡単であった。 「私はな、珍器や
古器物が好きだ。世間周知のことではないか、何の勘解由店の刑部屋敷が、醜悪極まる処....
「ホオムズの探偵法」より 著者:平林初之輔
しらえた世界各国の骨董品が並んでいる。その中には、印度《インド》の仏像や、支那の
古器や、南洋土人の手工品や、アフリカの食人種の部落からとってきた頭蓋骨などもある....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
極む。実に避暑の良地たり。市中には箱根細工のごとき木細工を販売する商店多く、また
古器物店もすくなからず、わが日光および箱根の諸店のごとし。港内にはドイツ軍艦、前....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ルに鶴子を案内して、亡夫の遺著を編輯《へんしゅう》するについて、第一に社寺または
古器物の写真の不足しているのを補うためにこれを買集める事、第二には仏蘭西の本邸に....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
おられるのは結構なことだ。蒐集家はすべからくこれだけの心懸けが必要である。多数に
古器物や珍籍を集めていたがために、火事のさいに一度にそれを焼いてしまうというよう....