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「古本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
がら、偸《ぬす》み読みをすることを発明していた。彼は又はっきりと覚えている。――古本屋ばかりごみごみ並んだ二十年前の神保町通りを、その古本屋の屋根の上に日の光を....
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
とうに黄いろい葉をふるっていた、ある雨《あま》あがりの夜の事である。自分は神田の古本屋《ふるほんや》を根気よくあさりまわって、欧洲戦争が始まってから、めっきり少....
路上」より 著者:芥川竜之介
busa と署名のある英仏独伊希臘羅甸の書物が、時々|本郷通《ほんごうどおり》の古本屋《ふるぼんや》に並んでいるので、とうから名前だけは俊助も承知している青年だ....
馬の脚」より 著者:芥川竜之介
来事である。 「二月×日 俺は今日|午休《ひるやす》みに隆福寺《りゅうふくじ》の古本屋《ふるぼんや》を覗《のぞ》きに行った。古本屋の前の日だまりには馬車が一台止....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
親仁《おやじ》が思切《おもいき》って、阿母《おふくろ》の記念《かたみ》の錦絵を、古本屋に売ったのを、平さんが買戻《かいもど》して、蔵《しま》っといてくれた。その....
婦系図」より 著者:泉鏡花
文求堂をもうちっと富坂寄の大道へ出した露店の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除れた、けばの立った、端摺の甚い、三世相を開けて、燻ぼった....
田端日記」より 著者:芥川竜之介
時頃うちを飛び出した。動坂から電車に乗って、上野で乗換えて、序に琳琅閣へよって、古本をひやかして、やっと本郷の久米の所へ行った。すると南町へ行って、留守だと云う....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
端銭を衣兜に捻込んだ。――三日目に、仕入の約二十倍に売れたという 味をしめて、古本を買込むので、床板を張出して、貸本のほかに、その商をはじめたのはいいとして、....
露肆」より 著者:泉鏡花
事だけ、おかしくなったものらしい。 「大福を……ほほほ、」と笑う。 とその隣が古本屋で、行火の上へ、髯の伸びた痩せた頤を乗せて、平たく蹲った病人らしい陰気な男....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
かったが、読んで味いがなかった。 ◇ 明治十三、四年の頃、西鶴の古本を得てから、私は湯島に転居し、『都の花』が出ていた頃紅葉君、露伴君に私は西鶴....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
せめて一日のばしたいと思つてみたが、それすらもかなわなかつた。 夜ふけの街を古本屋のある町のほうへ急ぎながら私の心の中はくやしさに煮えかえるようであつた。こ....
雪柳」より 著者:泉鏡花
御尤でありますが、どうも時々そう見える。――その面が出はしまいかと気にしながら、古本古雑誌の前に踞込んで、おやすく買求めて来ましたのが、半紙|綴八十枚ばかりの写....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
えを忍ぶとき、今も猶お悵恨の腸を傷めずにはいられぬものあるが、この附近には古画や古本や文房具の類を商なっている店が軒を並べて一廓を成している町がある。つまりセイ....
西航日録」より 著者:井上円了
再来、阿耨達池三宿住、金剛宝土四年回、異書多半出三蔵、法海応今起大雷、更向泥巴求古本、神山宗教見新開。 (禅僧は新たに道をひらいて西蔵をたずね、白馬は仏典を背負....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
。 しかし私には菊本氏の心を動かすほどの文才はない。一策を思いついた私は夜店の古本屋をあさって、五銭で「美文之資料」という豆本を買ってきた。その中の文章でいい....