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古版
「古版〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古版の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文字禍」より 著者:中島敦
あいぶ》するだけではあきたらず、それを愛するの余りに、彼は、ギルガメシュ伝説の最
古版の粘土板を噛砕《かみくだ》き、水に溶《と》かして飲んでしまったことがある。文....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
感心させるほどの素直な歌を詠む。彼が開いて見る本の中には京大坂の町人の手に成った
古版物や新版物の類もある。そういうものから彼が見つけて来たのは、平常な心をもつも....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の生れた時、迷庵はもう四十一歳になっていた。 迷庵は考証学者である。即ち経籍の
古版本、古抄本を捜り討めて、そのテクストを閲し、比較考勘する学派、クリチックをす....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ここまで拝見しましたが」 と言ってお松は、雁皮紙刷《がんぴしず》りの一種異様な
古版本のある頁を開いて、駒井の方へ示しました。 「ははア――」 と駒井が、それに....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
六年の版、ジェー・アール・ブラウンという人の著書である。 それには、ヨナと鯨の
古版画をはじめとして、それらに入れ混じり、勝川|春亭の「品川沖之鯨|高輪より見る....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
る時に比較したことがあるか」「曽てなかった」「何故しないか」「理由は分らないが、
古版本をそのまま用いたのである」「それじゃいよいよそれがいいということを知ったら....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
門人|昇亭北寿《しょうていほくじゅ》また一立斎広重《いちりゅうさいひろしげ》らの
古版画は今日なお東京と富士山との絵画的関係を尋ぬるものに取っては絶好の案内たるや....
「西航日録」より 著者:井上円了
であった。) 四月二十八日朝、アントワープ港に遊ぶ。郷友木島孝蔵氏の案内にて、
古版博物館、旧教大寺院、船渠桟道等を一見す。博物館中には、活版印刷器械の歴史的材....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は直接見る機縁のない、彼の書簡とか余技の装剣画幅の類とかをのぞいて、それらの書は
古版から活版までをくるめると、約七、八十種には及ぶであろう。いやもっとになるかも....
「それから」より 著者:夏目漱石
判然《はっきり》映る女である。一寸見ると何所《どこ》となく淋しい感じの起る所が、
古版の浮世絵に似ている。帰京後は色|光沢《つや》がことに可《よ》くないようだ。始....