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古着
「古着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古着の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ろう。道徳の迫害を受けるものは常に強弱の中間者である。
*
道徳は常に
古着である。
*
良心は我我の口髭《くちひげ》のように年齢と共に生ずる....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
がら、時々ぼんやり窓の外を眺めた。窓の外には往来の向うに亜鉛屋根《トタンやね》の
古着屋が一軒、職工用の青服だのカアキ色のマントだのをぶら下げていた。
その夜《....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
の者の眼につかないように着替えの衣服《きもの》や帯などをそっと抱え出して、柳原の
古着市へ忍んで行ったこともあった。それも長くはつづかないで、今の次郎左衛門が持っ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しょう。可哀そうにこれでもまだお嫁入り前でさあね。御代参をたのまれたのは、町内の
古着屋のおっかさんに……。と云い訳をするのも野暮ですが、そこの妹があたしのところ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「情夫の一件かえ」 「いいえ、そうじゃないんです」 「だって、姉さんには米沢町の
古着屋の二番息子が付いているんだろう」 「それはそうですけれど、喧嘩の基はそれじ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
いない。が、大竹の柔術は確か天真揚心流だった。僕は中学の仕合いへ出た時、相手の稽
古着へ手をかけるが早いか、たちまちみごとな巴投げを食い、向こう側に控えた生徒たち....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
十三 「生蕎麦、もりかけ二銭とある……場末の町じゃな。ははあ煮たて豌豆、古道具、
古着の類。何じゃ、片仮名をもってキミョウニナオル丸、疝気寸白虫根切、となのった、....
「露肆」より 著者:泉鏡花
一 寒くなると、山の手大通りの露店に
古着屋の数が殖える。半纏、股引、腹掛、溝から引揚げたようなのを、ぐにゃぐにゃと捩....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
とも限らないので、御徒士の者はみなそれだけの用意をしていた。択み出された三人は稽
古着のような筒袖の肌着一枚になって、刀を背負って、額には白布の鉢巻をして、草の青....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
た。 「失礼ながら私は、腹巻の中に、少しは貯えが御座います。布川の町まで行けば、
古着屋も御座りましょう。夜を幸い、さあ一息」 竜次郎の手を引いて、堀割端を行こ....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
会の幹事改選予選会報。等、ほかにまた一通夫人がしばらく手にとって眺めて居たものは
古着払下げの勧誘広告だ。夫人の感情はこれに少し局部的の衝撃をうけた。 ――失礼....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
葛籠の底から、……お墓の黒髪に枕させた、まあね……御経でも取出すように、頂いて、
古着屋の手に渡りましたッて、お可哀相に。――」 と、さし俯向いて、畳んだ扇子で....
「妖怪学」より 著者:井上円了
ナイタカラブネ」の語を用う。すなわち、アは一、キは二、ないしブは八、ネは九なり。
古着商の符丁は「フクハキタリメデタヤ」といい、茶屋の下女の符丁は「馬車デクル人マ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
がたくさん付いてあるから、八人の衣服はことごとくこれにかけてある。あたかも柳原の
古着店のごとくに見ゆるは奇だ。靴みがきも洗濯も、みな船客自身でせなければならぬ。....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
るのではないかと思ったんだ。ぼくはついにロンドンのはずれのうすぎたない横町にある
古着屋にしのびこんで、ほしい物を手に入れ、できればお金もついでに手にいれることに....