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「古顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
た帰り途に、たしか珍竹林《ちんちくりん》主人とか号していた曙《あけぼの》新聞でも古顔の記者と一しょになって、日の暮から降り出した雨の中を、当時|柳橋《やなぎばし....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
口が掛れば雨の日でも雪の日でも働かいでおくものかと出掛けた。もうヤトナ達の中でも古顔になった。組合でも出来るなら、さしずめ幹事というところで、年上の朋輩からも蝶....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
やらが怪しいわけじゃな」 「ところが、それが大違いでござります。に組の金助といや古顔の鳶頭でござんすから、だんながたもご存じだろうと思いまするが、てまえの家はも....
新生」より 著者:島崎藤村
暗い廊下を通って、岸本は食堂の方へ行って見た。二年近い月日を旅で暮すうちに彼は古顔な客としての自分をその食堂に見た。 「さあ、どうぞ皆さんお席にお着き下さいま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
衆も此の頃は頼りにならないような人が多いので……」 先代の歿後三年のあいだに、古顔の子分が二人もつづけて死んだ。腕利きの子分二、三人は若い親分を見捨ててほかの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら云った。 多吉のいう通り、茅場町辺の事件ならば、そこは瀬戸物町の源太郎という古顔の岡っ引がいるので、当然彼がその探索を云い付けられる筈であるが、源太郎はもう....
地獄の使者」より 著者:海野十三
あい手取早く判明して来るのである。なんのことはない、自分は店の婿養子の引立て役の古顔の番頭みたいなものである、と大寺警部はいつも心の中でひそかにぼやいていた。だ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いう人だそうです」 「むむ、そうか。瀬戸物町か」 源太郎は瀬戸物町に住んでいる古顔の岡っ引で、好い子分も大勢もっている。一番こいつの鼻をあかして俺の親分に手柄....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
「按摩さん、按摩さん。」 と欣七郎が声を刻んだ。 「は、」 「きみも土地じゃ古顔だと云うが。じゃあ、その座敷へも呼ばれただろうし、療治もしただろうと思うが、....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
な雨の日なんかは、三伝さん御全盛の、あの頃を想い出すよ」 その、坂東お悦という古顔の女は、これまで三伝のもとを一日も離れたことはなかった。丈が低くて、まん丸こ....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
ぬ先生としての遠慮がまじっていたと、僕は、観ていました。 事実、多くの座員は、古顔であればあるほど、コポオに心服しつつ、どこか甘えきっているところがありました....
都会の中の孤島」より 著者:坂口安吾
てよかろう。 彼のその運送会社では戦前からの古い運転手で、現業員の中では一番の古顔でもあるし上役でもあった。ここの現業員は会社からの固定収入のほかにも出先きで....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
茶の袴 私が画学校に行っていた時、学校の古顔に前田|玉英さんがいました。その頃二十二、三ぐらいの年頃だったと思うが、画学....
泡盛物語」より 著者:佐藤垢石
でもやるよ」 と、私は大きく出た。 この親爺は、この都会の掃除屋仲間では最も古顔で、出入りの客筋を数多く持っていた。私には二人の先輩がいた。一人は四十格好の....
拷問の話」より 著者:岡本綺堂
だを一々にあらためた。牢内の習慣で、拷問をうける罪人があるときは、牢名主その他の古顔の囚人どもが彼に対して色々の注意をあたえ、拷問に堪え得る工夫を教えて、たとい....