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句切り
「句切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
句切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
に、捉えられまいと努めるようになった。そこで、日常の談話の中でも、口にする文章の
句切りを測ってみたり、同じ歩むにしても、それに花文字や傾斜体文字《イタリック》で....
「草枕」より 著者:夏目漱石
い切ったる声をきく人の心には、やはりふっつりと思い切ったる感じが起る。これと云う
句切りもなく自然《じねん》に細《ほそ》りて、いつの間にか消えるべき現象には、われ....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
語は分らないのだという事を知らせるために、眼の前で手を振って見せた。ロシア人が一
句切り云うと、その口元を見ていた支那人は日本語をしゃべり出した。それは聞いている....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
、僕はこの暗号を英語だと仮定した。 ごらんのとおり、語と語とのあいだにはなんの
句切りもない。
句切りがあったら、仕事は比較的やさしかったろう。そういう場合には、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
……エヘン」 ここでも、わざとしからぬ咳払いを一つして、荘重《そうちょう》に
句切りをつけましたが、急に大きな声で、 「ナムカラカンノトラヤアヤア」 と叫び出....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
目の前で銀にしてお慰に見せましょう、御遠慮には及びません。」 といってちょいと
句切り、煙管を手にして、莨を捻りながら、動静を伺って、 「さあさあ、誰方でもどう....
「南島譚」より 著者:中島敦
して、先生のおらん所で怠けとっても、先生には直ぐ分るぞ。」 一句一句ハッキリと
句切り、怒鳴るような大声であった。 「先生をごまかそうと思っても駄目だ。先生は怖....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
たちまちはげしい自棄の嘆きが荒く飛んで聴衆はほとんど腸を露出するまでに彼女の唄の
句切りに切りさいなまれると、其処に抉出される人々の心のうずきはうら寂びた巴里の裏....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ではなかったらしい。というのは、かれの演説は決して単なる朗読演説ではなく、一つの
句切りの最初の言葉さえ見つかれば、あとの数行は草稿なしでも自然に口をついて流れ出....
「光は影を」より 著者:岸田国士
直さと野心家独特の負けん気とで、教える方でも、わりに張合いがあつた。 ひと通り
句切りがつくと、時間にかまわず、 「今日はこれくらいで……」 と、向うから言い....
「議会見物」より 著者:佐藤垢石
は、藤原銀次郎である。藤原の、からだのこなしにはどこか瓢逸のところがある。答弁の
句切り句切りに、ひょこひょことお辞儀するのだ。そして最後に、他の所管のことはそれ....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
中流以下の用うる語ばで字引にないような発音をするのみならず、前の言ばと後の言ばの
句切りが分らない事ほどさように早く饒舌るのである。我輩はコックネーでは毎度閉口す....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
弱いのよ。」 「お嬢さん、」 と行詰って、目と口を一所に、むッ。突当ったように
句切りながら、次第ににじり込んだ框の上。 割膝で畏まって、耳を掻いて頸を窘め、....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
かいのだが、恐らくこれは、仏教の方に漢文直訳体の七五調の和讃が生れたり、それが四
句切りはなされて今様になったりしたような歌謡方面からの影響かも知れない。恵心僧都....
「はつ恋」より 著者:神西清
ましたよ、ジナイーダさん、僕は、それを隠そうとは思いません」 彼女は、ゆっくり
句切りながら頭を振って、――「あなたは家庭教師がついているの?」と、だし抜けに尋....