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句読
「句読〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
句読の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
その間《あいだ》から低く海の光る、平凡な五十三|次風《つぎふう》な景色が、電柱で
句読《くとう》を打ちながら、空洞《うつろ》のような葉子の目の前で閉じたり開いたり....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
附けているような気がする」と好く言われた。 その割に原稿は極めてきたなかった。
句読の切り方などは目茶だった。尤も晩年のことは知らない。そのくせ書にかけては恐ら....
「学生時代」より 著者:幸田露伴
たのでやがて昂然として難者に対って、「僕は読書ただ其の大略を領すれば足りるので、
句読訓詁の事などはどうでもよいと思って居る」など互に鎬を削ったものである。 此....
「春昼」より 著者:泉鏡花
えだから不可んのです。 近頃は爺婆の方が横着で、嫁をいじめる口叱言を、お念仏で
句読を切ったり、膚脱で鰻の串を横銜えで題目を唱えたり、……昔からもそういうのもな....
「黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
を書いた人間の考えたとおりの自然な区分に、文章を分けることだった」 「というと、
句読《くとう》をつけることだね?」 「そういったようなことさ」 「しかしどうして....
「暗号の役割」より 著者:海野十三
れる。言葉を構成しているものではないのだ。 しからばその符牒とはどんな符牒か。
句読点か。 「とにかく、そのンの字のある場所を、他の文字と区別して、しるしをつけ....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
なる活字となって、しかも、各々五色の輝を放ち、名詞、代名詞、動詞、助動詞、主客、
句読、いずれも個々別々、七彩に照って、かく開きました真白な枚の上へ、自然と、染め....
「毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
く黄浦江へ流してしまったよ。以後お前とは絶交じゃ” と、博士は手紙の端に黒々と
句読点をうったのであった。....
「遺言」より 著者:国木田独歩
母様は床の上にすわりたまいこの遺言父の霊にも告げてはと読み上げたもう御声悲しく一
句読みては涙ぬぐい一
句読みてはむせびたもう御ありさまの痛ましさ……」 水野が堪....
「博物誌」より 著者:岸田国士
かぬ。で、彼に見|棄てられて、いつもの独りぽっちの退屈に落ち込むのが怖さに、私は
句読点をつけてみたり、ほんのちょっと線を引いてみたり、少しずつ、ちびちびと、ちょ....
「独房」より 著者:小林多喜二
入口で待っていた特高が、直ぐしゃちこばった恰好で入ってきた。判事の云う一言々々に
句読点でも打ってゆくように、ハ、ハア、ハッ、と云って、その度に頭をさげた。 ....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
す。しかし、日本の文章は少しも変っておりません。文壇の権威も昔のままです。文章の
句読点の切り方すら変っておりません。これはおかしいことです。 正倉院の御物の公....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
於波、漢字の正訛、熟語の撰択、若い文人が好い加減に創作した出鱈目の造語の詮索から
句読の末までを一々精究して際限なく気にしていた。 二葉亭時代の人は大抵国漢文の....
「春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
て居り、又蟻は頭の上に止ったように描かれてあるのが子供心に殊に面白かった。文章は
句読なしの総仮名で、頗る読み難いことは普通の草双紙の通りであるが、然し絵といい文....