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叮寧
「叮寧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叮寧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
め辞職したので、二葉亭は代って主任の椅子に坐した。 教師としての二葉亭は極めて
叮寧親切であって、諸生の頭に徹底するまで反覆教授して少しも倦まなかった。だが、そ....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
閉廷になると、早速青山さんは……なかなか元気のいい人でしたよ……私のとこへ来て、
叮寧に礼まで云われながら、例の写真機を持って帰って行かれましたが、いやしかし、そ....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
。それは間違いありません」 紳士の態度を警察官とでも感違いしたのか事務員は割に
叮寧になった。 「いずれにしても」紳士が事務員へ云った。「大変なんだ。実は、あの....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
午後に去った。 去る時に彼女は二階へ上って来て、わたしの椅子の下に手を突いて、
叮寧に暇乞いの挨拶をした。彼女は白粉を着けて、何だか派手な帯を締めていた。 「私....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
す も出てきている。漢詩意識発生の契機であったことは、すでに序説のところでかなり
叮寧に触れてきたところであるが、今や和歌文学は、この対立を融合させることによって....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
ちますわ。」嫁はそれを見て手を出した。 「いゝえ、大事ござんせん。」おしかは殊更
叮寧な言葉を使った。 「おくたびれでしょう。わたし持ちます。」 「いゝえ、大事ご....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
は有らずもがなに思ったらしいが、にッたりと無言。臙脂屋は涙を収めて福々爺に還り、
叮寧に頭を下げて、 「堺、臙脂屋隠居にござりまする。故管領様|御内、御同姓備前守....
「足迹」より 著者:徳田秋声
、ここの女主の声も耳に入った。 しばらくすると帳場の次の狭苦しい部屋で物の莫迦
叮寧な母親と、ここの人たちとの間に長い挨拶が始まった。 気象の烈しい女主は、く....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
い床に据えられた。台所から、料理が持ち込まれると、耳の遠い婆さんが、やがて一々|
叮寧に拭いた膳の上に並べて、それから見事な蝦や蛤を盛った、竹の色の青々した引物の....
「黴」より 著者:徳田秋声
かけた青簾越しに見えた。 婆さんを紹介されると、笹村は、「どうぞよろしく。」と
叮寧に会釈をした。 武骨らしいその婆さんは、あまり東京慣れた風もなかったが、す....
「南島譚」より 著者:中島敦
て元気一杯に見える。それに、其の態度が如何《いか》にも自信に充ちていて、言葉こそ
叮寧《ていねい》ながら、どう見ても此方の頤使に甘んずるものとは到底思われない。悠....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
人の間に在って、之は許すべからざる暴行である。此の首だけは、最上等の絹に包まれ、
叮寧《ていねい》な陳謝状と共に、早速、マリエへ送り返されたそうだ。少女は父の手伝....
「狼疾記」より 著者:中島敦
点があるのだといって、締りのない口付でそれを長々と述べ、「大変残念なことです」と
叮寧《ていねい》な言葉で、第三者のことをいうような言い方をするのである。一体どう....
「それから」より 著者:夏目漱石
ない様にしていた。この頃になっては猶更《なおさら》奥へ寄り付かなかった。逢うと、
叮寧《ていねい》な言葉を使って応対しているにも拘《かか》わらず、腹の中では、父を....
「坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
》で、叡山《えいざん》の悪僧《あくそう》と云うべき面構《つらがまえ》である。人が
叮寧《ていねい》に辞令を見せたら見向きもせず、やあ君が新任の人か、ちと遊びに来給....