可愛い[語句情報] » 可愛い

「可愛い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

可愛いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「母」より 著者:芥川竜之介
すわ。」 二人の母は佇《たたず》んだまま、幸福そうに微笑し合った。 「まあ、御可愛いたあたですこと。」 敏子の声はさりげなかった。が、女はその言葉に、思わず....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
思った。王生ももう道楽には、飽きたのかも知れないと云うものがある。いや、どこかに可愛い女が、出来たのだろうと云うものもある。が、肝腎《かんじん》の王生自身は、何....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
です。そう云えば顔も似ていますな。だからです。だから一つ牧野さんだと思って、――可愛い牧野さんだと思って御上《おあが》んなさい。」 「何を云っているんだ。」 ....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
ん。もう少将の胤《たね》を宿しているのです。わたしが今死ぬとすれば、子供も、――可愛いわたしの子供も一しょに死ななければなりません。（泣きながら）あなたはそれで....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
あんな柔順なやつは珍らしいくらいだったのだ。だから軍医官でも何でも、妙にあいつが可愛いかったと見えて、特別によく療治をしてやったらしい。あいつはまた身の上話をし....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
こ》わ怖《ご》わその子を抱いて来ると、すぐに自分が受け取りながら、「おお、これは可愛い子だ。泣くな。泣くな。今日《きょう》からおれが養ってやるわ。」と、気軽そう....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ていた。しかしその顔はどう云うものか、前に思ったほど生意気ではない。いや、むしろ可愛い中にも智慧《ちえ》の光りの遍照《へんしょう》した、幼いマリアにも劣らぬ顔で....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
日手紙で頼んであるから、取次に出たお敏さんが、すぐに僕の手へ返事を忍ばせたんだ。可愛い返事だぜ。平仮名で『しょうちいたしました』と書いてある――」と、得意らしく....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
わして話して見せるかんな。白痴奴《こけめ》。俺らが事誰れ知るもんで。汝《わり》ゃ可愛いぞ。心から可愛いぞ。宜《よ》し。宜し。汝ゃこれ嫌いでなかんべさ」 といいな....
「星座」より 著者:有島武郎
湯気の立つ黄金色を眺めていた、その猪口《ちょこ》に口をつけた。 「おぬいさんって可愛いい方ね」 そういうだろうと思って、渡瀬は酒をふくみながらその答えまで考え....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
声を出したのは悪かったのだ！ 王女 声を出したのが悪い？ 気違いかしら？ あんな可愛い顔をしているけれども、―― 王子 顔？ あなたにはわたしの顔が見えるのです....
「橋」より 著者:池谷信三郎
女はふと、その群から離れて、一羽の鳩が、すぐ側の欄干にとまっているのを見つけた。可愛い嘴を時々開き、真丸な目をぱちぱちさせながら、じっとそこにとまっていた。あす....
「霊界通信　小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
致しますが、少しは私の身の上も察してくださいませ。私は一つの生きた屍、ただ一人の可愛い子供があるばかりに、やっとこの世に生きていられるのです。若しもあの子供がな....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の頬をさすっていた。しかも誰かと話す合い間に時々こう女教師に話しかけていた。 「可愛いわね、先生は。可愛い目をしていらっしゃるわね」 彼等は僕には女生徒よりも....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
はちりぢりばらばらになってしまった。立派な屋敷で暮していたある老婦人が、ジャンを可愛い子と思ったので、一日、その身の代金を払って、自分の手もとに引き取った。なか....