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可愛げ
「可愛げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可愛げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「男女同権」より 著者:太宰治
か、それは勿論《もちろん》、私がこんな醜男《ぶおとこ》に生れ、小さい時から少しも
可愛げの無い子供だったせいかも知れませぬが、しかしそれにしても、その意地悪さが、....
「女の決闘」より 著者:太宰治
すね。奥さんは、すると、あなたの命の恩人ということになりますね。 ――女房は、
可愛げの無い女です。好んで犠牲になったのです。エゴイストです。 ――もう一つお....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
けられて了うのが許しがたいほど恥しく思えたのである。 だから、いま豹一がそんな
可愛げのない表情を見せてくれることは、彼女にとっては、むしろサバサバするようなも....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
ほじりほじり、仔細を聞きましても、何も言わずに、恍惚したように鬱込みまして、あの
可愛げに掻合せた美しい襟に、白う、そのふっくらとした顋を附着けて、頻りとその懐中....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
よくよく御覧遊ばして下さいませ。あの、静枝さま。どうぞ、こちらへ」 饒舌女史は
可愛げもない台詞をのべたててから、次の間の方へ声をかけた。 襖の外では微な返事....
「十五年間」より 著者:太宰治
は、スワンの雛であった。巨匠の青年時代は、例外なく醜い。それは決してサロン向きの
可愛げのあるものでは無かった。 お上品なサロンは、人間の最も恐るべき堕落だ。し....
「碧眼托鉢」より 著者:太宰治
、たしかに綺麗で、おっとりした気品さえ出ている。 フィリップ。これは、断じて、
可愛げのある作家では無い。私、フランスのむかしの小説家の中で、畏敬しているもの、....
「善蔵を思う」より 著者:太宰治
。ただ、酒ばかり呑むのである。私の態度は、稚拙であった。三十一にもなって、少しも
可愛げが無くなっているのに、それでも、でれでれ甘えて、醜怪の極である。酔いが進む....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
ちだから、衣子はヤス子を煙たがり、親しみをいだいていなかった。 「ヤス子さんも、
可愛げのない人ね。あんなに居直るみたいに談じこまれちゃ、旦那様もオチオチくつろげ....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
も、興ざめ、相手にするのがアサマシイ思いであった。なんという強情、ヒネクレモノ、
可愛げのない奴だろう、ブンナグッてやりたいような気持だが、天性、私は女の子をブツ....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
抜けたような、けだるさがひそんでいる。それがないと、気位のバカ高い奥方の典型で、
可愛げなどの感じられないリリしさだが、童女めく痴呆さが色気をつくっている。しかし....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
しないのに。何を云うのよ」 「人手に加工された跡が歴然としていて、なじめないし、
可愛げが感じられないのだ。コマッチャクレているよ」 「そんなこと云うのは、可哀そ....
「博物誌」より 著者:岸田国士
それで、突然、私は汗をびっしょりかいて立ち止る。そして怒鳴る―― 「ああ、畜生、
可愛げのないやつだ。人をさんざん走らせやがる!」 遠くから、草原の真ん中の一本....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
服にひとしお器量|優りのする小春があなたよくと末半分は消えて行く片靨俊雄はぞッと
可愛げ立ちてそれから二度三度と馴染めば馴染むほど小春がなつかしく魂いいつとなく叛....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
くしてから、ほんとに連れて行かれました。 お河童頭に繻子の袴、目ばかり光らした
可愛げもない子供でした。お兄様のお供をするというのが嬉しくて、喜び勇んで出かけた....