»
可成
「可成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
可成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、――」
戸沢は博士に問われる通り、ここ一週間ばかりのお律の容態《ようだい》を
可成《かなり》詳細に説明した。慎太郎には薄い博士の眉《まゆ》が、戸沢の処方《しょ....
「豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
て、始終豊島の作品を注意して読んでいた所を見ると、やはり僕の興味は豊島の書く物に
可成強く動かされていたのかも知れない。 それが今日ではだん/\お互に下らない事....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
附いて行ったのでございます。道は三浦の東海岸に沿った街道で、たしか武山とか申す、
可成り高い一つの山の裾をめぐって行くのですが、その日は折よく空が晴れ上っていまし....
「迷信解」より 著者:井上円了
にて火柱が立つということがある。そのときには必ず火災があると申しておるが、『荘内
可成談』に出ておる話によるに、「放火の賊が自ら放火せんと謀り、あらかじめ火柱が立....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
私の方とは反対の側に行ったところなんですけれども駅から二丁ばかりのところにあって
可成り大きな家を構えて居りました。これは段々わかった事ですが、細田氏は当主の次男....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
、両方から腕を担いで見ようよ」 然し何うして見たところで硬張った死人を運ぶのは
可成りの重荷であったが、他に工夫のしようもなかったのでその儘歩き続けた。この露路....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
乗客の有るのと無いのとでは――殊に天候の思わしくない時なぞ、気持の上の重圧感が、
可成り違うものなのだ。 「――二人ね。什麼人達だい?」 けれどそう尋ねて、池内....
「おせっかい夫人」より 著者:岡本かの子
の中にいれてやりました。 三十分ばかり後、男は国枝さんの表玄関を内側からあけ、
可成な重味の見える風呂敷包みを持って現われました。男はあれほど世話になった花子夫....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
の分りのいい新鮮らしい女性が多い様に見えるけれど、それは近代の女性に許されている
可成の自由と、女性そのものの普遍化された新味から来る自負心とであって、内容そのも....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
男や、私に何も呉れ無かった男にはいくら最後でも何にも遣る気はしないけど、あなたは
可成、私の望みにかなって下さったわね。ムッシュウ・小田島。 小田島は更に赫くな....
「春」より 著者:岡本かの子
顔をしていた。それがごく、当り前のような気違いの顔をして引き取られて来た。そして
可成りな我儘と厄介な病症を発揮した。だがまだまだ仕合せな事に、もともと悪どくない....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
れるだけに、かの女には余計味わい深かった。こうして歩いているうちに、かの女はもう
可成り規矩男に慣れてしまって、規矩男をただよく気のつく、親切な若い案内者ぐらいの....
「明暗」より 著者:岡本かの子
った。 三木雄は、その生理作用にも依るものか、性質もぐっと内向的で、その焦点に
可成り鬱屈した熱情を潜めていた。そして智識慾も、探求心も相当激しいにも拘らず、今....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
彼の左の足は硬い物に触れた。靴で幾度か探って見ると、これは突出した岩の角で、岩は
可成に広いらしい。ここならば両手を放しても立って居られそうに思われたので、「可、....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
は獲物が多かったので、盥のなかには鮒や鯰やうなぎが一杯になっている。そのなかには
可成りの目方のありそうな鰻もまじっているので、阿部さんもすこし嬉しいような心持で....