台帳[語句情報] »
台帳
「台帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
台帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間灰」より 著者:海野十三
押えながら、空気工場の門をくぐった。それは何という不気味な建物だったろう。本署の
台帳によってみると、この空気工場の営業品目は、液体空気、酸素ガス、ネオンガス外数....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
にキョト/\としている二人を立会人として、家宅内全部を捜索して、聖書明細書、質物
台帳、各一通、離婚届、建物譲渡に関する書類各一通、外に書状数通を押収した。 捜....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
したところ、先方でも快く祝い納めてくれた。平田家では、彼の名を誓詞帳(平田門人の
台帳)に書き入れ、先師没後の門人となったと心得よと言って、束脩も篤胤|大人の霊前....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
戸の旅に平田|鉄胤の門をたたき、誓詞、酒魚料、それに扇子壱箱を持参し、平田門人の
台帳に彼の名をも書き入れてもらったのは安政三年の昔であって、浅い師弟の契りとも彼....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
からは吏員の事務をとっている室が硝子窓をとおしてはっきりと見えた。卓の上には戸籍
台帳やら、収税帳やら、願届けを一まとめにした書類やらが秩序よく置かれて、頭を分け....
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
幅をきかしている。そうして自由に放恣な太古のままの秋草の荒野の代わりに、一々土地
台帳の区画に縛られた水稲、黍、甘藷、桑などの田畑が、単調で眠たい田園行進曲のメロ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
ていた。それは(スクルージは精密にそれを観察して見た)、弗箱や、鍵や、海老錠や、
台帳や、証券や、鋼鉄で細工をした重い財嚢やで出来ていた。彼の体躯は透き通っていた....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
業と、給仕は会社員と、売笑婦は「独立生計」と、めいめいその花文字のようなホテルの
台帳の署名と一しょに、こういう触れ込みで押しまわっているかも知れないのだ―― T....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
ミだとは昔は言う言葉がなかったが、これもヤミではないか。正規の取引関係、税務署の
台帳にのる所得じゃない。さすればヤミ屋というのは昔から別のところにちゃんと存在し....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
島にある猟館には、仏蘭西大使館の司厨長中村銀次郎が住んでいた。と云うよりも、ただ
台帳にある、名のみというのを便宜にして、こっそり彼はまた貸しをしているのだった。....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
正午という一語から、昇汞という解答を発見すると、僕はその錠剤の不足を、薬屋の販売
台帳から見つけ出したのだ。しかし、それから里虹の屍体を、埋めたか、河に投じたかは....
「地上」より 著者:島田清次郎
ここの朝は街の午だものね、おほほほほ」 女将は茶の間の横座に坐って、昨夜の客の
台帳などを一通り調べはじめた。そして思い出したように「米子、市子」と呼んだ。二人....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。そんなありさまだから、成績があがらぬのだと、不意に逆ねじをくわせる。なお、売上
台帳を調べて、難癖をつけるのだ。 例えば、背に腹はかえられず、困窮のあまり、つ....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
す。とりあえず彼の指紋をとって、もしや前科者ではないかと、警視庁で調べても、指紋
台帳に同じ指紋を発見することが出来なかったそうです。それから衣服の塵埃や耳垢まで....
「予謀殺人」より 著者:妹尾アキ夫
しれない。だからこの指紋が大切なのです。もし犯人が前科者だとすれば、警視庁の指紋
台帳をみればすぐ分りますからね。もしそうでないとすれば、この指紋にたいした価値は....