»
叱責
「叱責〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叱責の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
が》るることを得ざりしなり。 しかも渠は交番を出《い》でて、路に一個の老車夫を
叱責《しっせき》し、しかしてのちこのところに来たれるまで、ただに一回も背後《うし....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
のものを失敬したりして生きていた。親戚で引き取っても三日といつかなかった。労働と
叱責、それは彼らにとって堪え得ないものであるらしかった。彼らは彼ら自身の生活方法....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
諸霊も、われらの殉難を見守り給え。われらが万一卑怯なる心を持たんとしたるときには
叱責し、且つ激励をなし給え。 九月九日 ◯昨八日、米軍初めて帝都内に進駐す。米....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
ないように、バラのふくよかなる臀部に触れた。 ピシーリ。 女学員バラの無言の
叱責だ。 ペンの手の甲が赤く腫れあがった。それでもペンの手は哀願し、そして誘惑....
「地軸作戦」より 著者:海野十三
ていった。宰相は、新クレムリン宮を後にするに際して、委員の一人をしてネルスキーに
叱責の言葉を伝達せしめられた。 “余は汝の行き過ぎを遺憾に思うものである。シベリ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
* 堺利彦宛・明治三十九年四月 五日、父面接に来り、社会党に加盟せるを
叱責すること厳也。予すなわちこれに答えて曰う。「父たるの権威を擁して、しこうして....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
達に差出した仕打ちは一つは宗教問題打ち切りの宣告でもあり、一つは印度女への無言の
叱責でもあった。其の額にはガルスワーシーが畏敬と如才ない愛想の筆致でもって戯画化....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
それは答えるというよりも、裁く態度だ。裁判官の裁きの態度よりも、サルタンの熱烈で
叱責的な裁き方だ。そういえば、かの女は思い起したことがある。日本にいる時から、こ....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
がいよいよ痩せて衰えてゆくのは明らかになった。それに連れて男の周囲からいろいろの
叱責や意見や迫害が湧いて来ることも綾衣は知っていた。神か人か、何者かの強い手によ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
されようとしたものである。イギリスの枢密院は、不必要に生命の危険を冒した廉で彼を
叱責してきた。「名もなき雑兵のごとく、槍を振りまわす」がごとき、あるいは敵の群が....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
伏せたまま近よった。 二人は目を見合わした。雄吉の目は相手に対する激しい道徳的
叱責と、ある種の恐怖に燃えていた。青木の目は、それに対して反抗に輝きながら、しか....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
がままな兄は、弟が見つけたときに、なぜ即座に打ち果さなかったかを責めた。が、その
叱責が無理であることは、
叱責している兄自身がよく分かっていた。兄は、切腹する切腹....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
の高言は何事ぞと叱りつけた。兄としては当然の話である。だが、斎宮助、衆人の前にて
叱責せらるる事奇怪なりとて、それより兄弟永く不和になっていたが、姉川合戦の前夜、....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
の一士を倒して首を得たので、大喜びして信長に見せた処が、みだりに部署を離れたとて
叱責された。 惟住五郎左衛門の士、安井新左衛門家元は鳴海の戦に十七騎を射落して....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
今までにその幼主の意志を絶対のものにする癖がついていた。 それが、今日は家康の
叱責を是非とも忠直卿の耳に入れねばならない。生れて以来、叱られるなどという感情を....