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「史伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

史伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
《しゃく》に障《さわ》る男だと主人が思う。 「此際吾人西洋の事情に通ずる者が古史伝説を考究し、既に廃絶せる秘法を発見し、之を明治の社会に応用致し候わば所謂《い....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
輩を数えることができる。その中には、篤胤大人|畢生の大著でまだ世に出なかった『古史伝』三十一巻の上木を思い立つ座光寺の北原稲雄のような人がある。古学研究の筵を開....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
清内路とは半蔵が同門の先輩原|信好の住む地であり、座光寺とは平田|大人の遺書『古史伝』三十二巻の上木に主となって尽力している先輩北原稲雄の住む村である。お触れ当....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の山吹村に訪い、そこに安置せられた国学四大人の御霊代を拝し、なお、故翁の遺著『古史伝』の上木頒布と稿本全部の保管とに尽力してくれた伊那の諸門人の骨折りをねぎらい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ん広く行なわれましたね。ところが君、その結果は、というと、何が『古事記伝』や『古史伝』を著わした人たちの真意かもよくわからないうちに、みんな素通りだ。いくら、昨....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
然に此方へ転げ込んで来る理合だ、という様な料簡は自も存したことであろう。政宗方の史伝に何も此様《こう》いう計画をしたという事が遺って居るのでは無いが、前後の事情....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
大体総数一七〇位で、内(一)及び(二)が五〇(三)一五(四)七(五)五〇その他歴史伝記が二〇雑誌五〇位です。 十一月二十二日(壺井栄あてより抜萃) 今年の十....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
ことが多いがときどき他処へ住むこともある。もしこれを「未荘の人也」といえばやはり史伝の法則に乖く。 わたしが幾分自分で慰められることは、たった一つの阿の字が非....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
さざるを沈著な態度を以て事象の実相を観照することを忘れていない。年代記的なもの、史伝的なものを書く場合でも、そういう観照力が時々片鱗を示して、無味なるべき叙述に....
読書遍歴」より 著者:三木清
中学時代、私の得意としたものがあるとすれば、それは歴史であった。中にも山路愛山の史伝類をよく読んだが、特に『常山紀談』とか『日本外史』とかを愛読した。その頃は漢....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
は既にその弟ジュウルと共に仏国十八世紀の貴族|名媛《めいえん》及《および》女優の史伝を編み、また同時代の仏国絵画の評論三巻を合著《がっちょ》せり。当時十八世紀に....
霊廟」より 著者:永井荷風
。 数知れぬ神となされて路易《ルイ》大王はなほも世にあり。然《さ》れば われ何ぞ史伝の階段を極め昇るに及ばんや。 荒廃のいとも気高き眺めの中《うち》には、 美し....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
花であった。そして物語の主軸は実は文学という点にはないのであって、それは古代の歴史伝承の方法であった語部の物語が、文字に移された過程の延長なのである。だから、平....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かったことは、小説のうちにも、書いているつもりであるが、この随筆武蔵による彼の略史伝、遺業、晩年の生活などを見れば、なおさら、人間としての彼の正味が、正確に認識....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
の一夜、横笛をたずさえて来て、その幽愁をお慰めしたという一人物は――土地の口碑や史伝では、僧の蓮誉ということになっている。ぼくの作品では、麻鳥に蓮誉の行為が仮託....