右顧左眄[語句情報] » 右顧左眄

「右顧左眄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

右顧左眄の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
読書法」より 著者:戸坂潤
ている。ものの良し悪しを殆んど本能的にピッタリと云い当てているのが判る。人真似や右顧左眄の産物には決してあり得ないことだ。 ただ彼の素質は理論家ではないようだ....
石狩川」より 著者:本庄陸男
に過ぎないのだ。彼の胸にも何かひりひりと、氷のひ割れるような裂音が伝わっていた。右顧左眄《うこさべん》し、周章狼狽《しゅうしょうろうばい》した自分たちは、天地も....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
まま正直にとるなら、まず誤りである。そういう解釈は単に、事態の本質を不明朗にし、右顧左眄、自分の心を不安にするのが精々の落ちだろう。寧ろ問題は、内閣の政局上の使....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
越えて行くなら、それはよろこばしいことであるが、最初から他の民族への迎合を考えて右顧左眄し始めたらそれはすでに芸術の自殺である。 およそ民族にはそれぞれ異なる....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ぜ傍を見るか。なぜそこに澄みきらないか。 あの事は? この事は? 要らざる右顧左眄だ。一道をつきぬくのに何の傍見。 ――とは思うが、その一道に行詰ってい....
三国志」より 著者:吉川英治
大なる野望家にもなりきれず、ほんとの悪人にもなりきれず、位階冠帯は重きに過ぎて、右顧左眄、気ばかり病んでいるつまらない人物だった。 貝殻が人の跫音に貝のフタを....
私本太平記」より 著者:吉川英治
鳥羽から家臣の田子大弥太を飛ばして、すでに手は打っておいた。「――なおこれ以上、右顧左眄していては、一歩もすすまぬ。まず対策は、その日その日に」と、彼はやがて、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
く者、東する者、櫛の歯を挽くが如しじゃと、いわれておる」 「いずれにせよ、もはや右顧左眄しているときではない。朝敵尊氏を討つに、なんのおためらいなのか」 「新田....
日本文化の特殊性」より 著者:戸坂潤
てこの城廓内に編入されたいと思いながらも、まだ充分に信頼をかち得ていないために、右顧左眄して順応に汲々としている或る種の文化論者の類いである。彼等のチグハグな情....