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司直
「司直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
司直の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俘囚」より 著者:海野十三
あざ》になっているのに違いない。誰がそれを見付けないでいるものか。じわりじわりと
司直《しちょく》の手が、あたしの膚《はだ》に迫ってくるのが感じられる。 (ああ、....
「夢の殺人」より 著者:浜尾四郎
も判事も、その動機を説明することが非常に困難だったに違いない。彼等は法律家であり
司直の職に在るが故に、此の場合、殺人の動機を求めて而して説明しなければならない。....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
て嘆息したということであるが、明治の黒川真頼博士は自ら考案した制服のために誤って
司直壇上に崇《あが》められた。定めて「法服を為るの弊一に此に至るか」と言うて笑わ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ので、世間で与えた、渾名《あだな》が、いつか、呼び名になったのであろう。
江戸
司直の手は、最近|殊《こと》に手きびしく、この怪人の行方《ゆくえ》を、追い究《き....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
時である。次いで寧親も八年四月に退隠して、詩歌|俳諧を銷遣の具とし、歌会には成島
司直などを召し、詩会には允成を召すことになっていた。允成は天保二年六月からは、出....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
吾輩をシッカリと押え付けておるのだ。……即ち、もしもこの書類が公表されるか、又は
司直の手に渡るかした暁には、如何に凡クラな司法官でも、直ぐに吾輩を嫌疑者として挙....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
タッタ一人で、いくらジタバタしたって爆弾漁業の勦滅は……」 「……黙り給えッ……
司直に対して僭越だぞ……」 「何が僭越だ。令状を執行されない以上、官等は君等の上....
「火事教育」より 著者:寺田寅彦
。このようにして、白昼帝都のまん中で衆人環視の中に行なわれた殺人事件は不思議にも
司直の追求を受けずまた市人の何人もこれをとがむることなしにそのままに忘却の闇に葬....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
ちにして日本全国がその涜職事件でいっぱいになったような感じをいだかせる。冷静なる
司直の手もまたいくぶんこれに刺激されてその活動を促進されることがないとも限らない....
「天馬」より 著者:金史良
ま用いることは大村の威信にも関ることと云わねばならぬ。その実又玄竜に関する限り、
司直当局に対する非難攻撃が甚しく警察でもそろそろ内査を始めたのだった。それで大村....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ったが、震災直後の手配不備のせいであったか、それから一月経っても、二月経っても、
司直はミチミたちを安穏に放置しておいた。しかし初冬が訪れると間もなくミチミは仮初....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
を洩している(東京日日七月七日付)、「そこでいつでもいうことだが共産党に対しては
司直はあくまで峻厳な態度で臨むことが必要だ、これによってかれ等は転向の機会を掴み....
「正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
だ加藤市左衛門も、大阪方の大将たる金井半兵衛も吉田初右衛門も、それぞれその土地の
司直の手で、多少の波瀾の後で捕らえられた。 こうして正雪一味の徒はほとんど一網....
「金狼」より 著者:久生十蘭
その下へ固苦しく白チョッキをつけていた。扇子で手首へ風を入れながら、 「苛酷なる
司直の手より脱免し、四士ここに無事再会。こうして一杯のめるというのは、まずまず祝....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
しかも背を向けえない。 当時の政治裁判は、一種お芝居めく形式事にすぎなかった。
司直の手によって判決文はあらかじめ決定しており、訴訟記録は当時の権力者が、被告に....