»
合す
「合す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
夫婦であり、智能的には、必ずしも同一程度であるを要しない。愛はいかなる距離をも結
合する力がある。それは幼稚不完全なる地上生活に於てすら然りである。二人の兄弟が、....
「或る女」より 著者:有島武郎
って岡が尋ねて来た時に根掘り葉掘り聞いてみるが、二人《ふたり》の言葉があまりに符
合するので、貞世のだんだんよくなって行きつつあるのを疑う余地はなかった。葉子には....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、このままの私の中にそれを実現しようとする。かくて私は現在の中に三つのイズムを統
合する。委しくいうと、そこにはもう、三つのイズムはなくして私のみがある。こうした....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
でに述べたすべての説よりも傑出している。この伝説が我々の現今の考えといかに良く適
合するかは実に驚くべきほどである。この説の中には東洋起源また古典時代の思想の継承....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
に従順なる奴隷であり、沈黙と虚無の忍耐強い召使いであると思うようになった。常に和
合するかと思えば、また夫婦喧嘩をして、かれらは火花の如くに輝き、火花のごとくに常....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
為に破壊している事があるものである。戦争をしている国民が、より多く自国の国力に適
合する平和の為という目的を没却して、戦争その物に熱中する態度も、その一つである。....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
るようなことはあるまい、故に鼠を捕らしむる猫には白色又は水色の首環丈にして鈴は見
合すべきであるが、小猫には此両者一を欠かぬようにすべきであろう。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
す。 即ち、戦闘法等が最後の発達を遂げ、戦争指導等が戦争本来の目的に最もよく
合する傾向に徹底するときは、人類争闘力の最大限を発揮するときにして、やがてこれ絶....
「活人形」より 著者:泉鏡花
くれば、お藤は声を震わして、「そればっかりは、どうぞ堪忍して下さいまし。と諸手を
合すいじらしさ。「応、肯かれないな。よし、肯かれなきゃあ無理に肯かすまでのことだ....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
滑稽な昔話がある―― 人待石に憩んだ時、道中の慰みに、おのおの一芸を仕ろうと申
合す。と、鮹が真前にちょろちょろと松の木の天辺へ這って、脚をぶらりと、 「藤の花....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
りがついて、早瀬も確か一二度警察へ呼ばれた筈だ。しかしその申立てが、攫徒の言に符
合するし、早瀬もちっとは人に知られた、しかるべき身分だし、何は措いても、名の響い....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
言にてつかつかと寄り、猶予わず剣を抜き、颯と目に翳し、衝と引いて斜に構う。面を見
合す。) ああ、貴方。私を斬る、私を殺す、その、顔のお綺麗さ、気高さ、美しさ、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
養にとて来ていたが、可恐く身体を気にして、自分で病理学まで研究して、0,などと調
合する、朝夕検温気で度を料る、三度の食事も度量衡で食べるのが、秋の暮方、誰も居な....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
に、影も、顔も見合おうず、と振向いて見まするとの……」 娘は浅葱の清らかな襟を
合す。 父爺の家主は、棄てた楊枝を惜しそうに、チョッと歯ぜせりをしながら、あと....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
われ入らるべき。人に顔見するがもの憂ければこそ、摩耶も予もこの庵には籠りたれ。面
合すに憚りたれば、ソと物の蔭になりつ。ことさらに隔りたれば窃み聴かむよしもあらざ....