合の手[語句情報] »
合の手
「合の手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合の手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
ら五十八の今までに、五十いくつかの人命を救うている。だから褒賞《ほうしょう》の場
合の手続などもすこぶる簡単になって、一週で金が下るようになった。政庁の役人は「お....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ないほど弾《ひ》かされ歌わされ、浪花節《なにわぶし》の三味から声色《こわいろ》の
合の手まで勤めてくたくたになっているところを、安来節《やすぎぶし》を踊《おど》ら....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かで罵られた男も、やはり四十前後の男で、紺地の野暮な単物を着ていた。彼はほかの乗
合の手前、おとなしく黙っていられなかった。 「なに、泥坊……。飛んでもねえことを....
「食魔」より 著者:岡本かの子
うと記憶のよい人間だった。 彼は形式通り膳組されている膳を眺めながら、ビールの
合の手に鍋の大根のちりを喰べ進んで行った。この料理に就ても、彼には基礎の知識があ....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
い――」と、「稲荷ァりさん、え、いなァりさん――」の声なるべし。 もしそれこの
合の手として犬の遠吠えを加うれば、冬の情景ここにつくされて、限りなき淋しさを味う....
「太郎坊」より 著者:幸田露伴
に一心になって聞いている。庭には梧桐を動かしてそよそよと渡る風が、ごくごく静穏な
合の手を弾いている。 「頭がそろそろ禿げかかってこんなになってはおれも敵わない。....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
した。指環のきらりとするのを差向けて、 「こいつを一つ遣ってくんねえな。」 立
合の手合はもとより、世擦れて、人馴れて、この榎の下を物ともせぬ、弁舌の爽な、見る....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
のであるから、私自身がタスキをかけて女房よりも忙しくお勝手で活躍してあげる。その
合の手に子供が喧嘩をオッパジメルとその御仲裁にも立合わねばならず、三分毎に一分ぐ....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ル精神の持主でもあるから、酔ってモウケた話などはないものだ。損するものと心得て、
合の手に禁酒宣言などやってみるが、性こりもないものだ。 介抱窃盗というのは明か....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
に悩んだものだ。 二つの手紙が時を同うして舞いこんだのは、偶然だろうか、夫婦談
合の手筋の狂いからだろうか、と。ナレアイの離婚というのは悪意に解しすぎるようだが....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
でくるくる日傘を廻していた子は、黒ん坊に衣裳のしつけを取られて、鷺の本性を現し、
合の手の、にぎやかにも、おどろおどろとした無気味な音につれて、 獄卒|四方に群が....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
年の間、そうやって、彼が手しおにかけていたものである。 その文庫というのは、頃
合の手匣で、深さも相応にあり、蓋は中高になっていて柔かい円みがついている。蓋の表....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
としお、渋くなってまいりまして、 ※都育ちは蓮葉なものじゃえ と、歌は切れ、
合の手でございまして、この三味線の間に、白拍子の花子が、上に着ている衣裳をぬぐの....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
時四十八分。 その日の「ビラ」は組合員の手から都会の労働者に、――全道の農民組
合の手から小作人に――配られた。 ┌─────────────────────....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
もんと弱ぐで、ぐにやらしやんにやらと、コバエテ/\。 まずこんなようなものだ。
合の手のコバエテとは「来れは良い」の義で、酒田地方の方言だという。同じ庄内でも鶴....