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「合わす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

合わすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
サー・デビーは、それからギリシャ、トルコの方面までも旅行したい希望であったが、見合わすこととなり、一八一五年二月末、ネープルに赴いてベスビアス山に登り、前年の時....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ことば》も、単に一場の口頭語として、深く気にも止めませんでしたが、今になって思い合わすと、実はもうその言《ことば》の中に傷《いたま》しい後年の運命の影が、煙のよ....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
、ぼんやりしたランプの光を浴びて、妙に幽霊じみた姿を具えていた。が、彼は私と顔を合わすと、昔風に両肱《りょうひじ》を高く張って恭《うやうや》しく頭《かしら》を下....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
鳩を捕えようとしたのも、この利発《りはつ》らしい娘に違いなかった。彼は彼女と眼を合わすと、何故《なぜ》と云う事もなく狼狽《ろうばい》した。が、それだけに、また一....
路上」より 著者:芥川竜之介
。じゃ早速僕から、警察へ引き渡してやろう。」 新田は無造作《むぞうさ》に調子を合わすと、三度《みたび》俊助の方へ振り返って、 「君、この連中が死んだ後で、脳髄....
或る女」より 著者:有島武郎
。木村の面影はふと葉子の頭の中を抜けて通った。空想で木村を描く事は、木村と顔を見合わす時ほどの厭《いと》わしい思いを葉子に起こさせなかった。黒い髪の毛をぴったり....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
屋の中で、枕につきながら、陥穽にかかった獣のようないらだたしさを感じて、まぶたを合わす事ができなかったと君は私に告白した。そうだったろう。その晩一晩だけの君の心....
卑怯者」より 著者:有島武郎
っ張られて、すたすたと逃げるように行手の道に歩きだした。しかも彼の胸の底で、手を合わすようにして「許してくれ許してくれ」と言い続けていた。自分の行くべき家は通り....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
が急に少く、二人三人と数えるばかり、大な木の葉がぱらりと落ちたようであるから、掻合わす外套の袖も、妙にばさばさと音がする。外は霜であろう。山の深さも身に沁みる。....
外科室」より 著者:泉鏡花
思われる」 と伯爵は愁然たり。侯爵は、かたわらより、 「ともかく、今日はまあ見合わすとしたらどうじゃの。あとでゆっくりと謂い聞かすがよかろう」 伯爵は一議も....
式部小路」より 著者:泉鏡花
か、心にかかる由ありしか、何となく弱々と、伏目になってうつむいて、袖口を胸で引き合わすと、おのずからのように、歩が運んで、するする此方へ。 渡り越して、その姿....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
ものを深く考えさせられたのである。 お互に用の有りそうな連中は、大概この座に居合わす。出先へこうした急使の覚えはいささかもないので、急な病気、と老人を持つ胸に....
多神教」より 著者:泉鏡花
沁むと申すに。―― 神楽の人々。「酔も覚めて来た」「おお寒」など、皆、襟、袖を掻合わす。 神職 ……居眠りいたいて、ものもあろうず、棺の蓋を打つよりも可忌い、鉄....
天守物語」より 著者:泉鏡花
、この人はね、この姫路の城の主、播磨守とは、血を分けた兄弟よ。 侍女等目と目を見合わす。 ちょっと、獅子にお供え申そう。 みずから、獅子頭の前に供う。獅子、その....
露肆」より 著者:泉鏡花
てやったもので。 「きゃっきゃっ、」とまた笑うて、横歩行きにすらすらすら、で、居合わす、古女房の背をドンと啖わす。突然、年増の行火の中へ、諸膝を突込んで、けろり....