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合わせる
「合わせる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
合わせるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
絶えず素戔嗚《すさのお》の心を領していた。殊に時たま部落の内外で、偶然彼女と顔を
合わせると、ほとんどあの山腹の柏《かしわ》の下で、始めて彼女と遇《あ》った時のよ....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ならないのであろう。たった一人の兄は、自分を敵《かたき》のように思っている。顔を
合わせるごとに、こちらから口をきいても、浮かない返事をして、話の腰を折ってしまう....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
「ええ五つ、十う、二十」をやっているのが見える。なにしろ、塩せんべいと餡パンとを
合わせると、四円ばかりになるんだから、三人とも少々、勘定には辟易《へきえき》して....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
は、何やら気まりがわるくてしょうのないところもあるのでした。久し振りで良人と顔を
合わせるのも気まりがわるいが、それよりも一|層恥かしいのは神さまの手前でした。あ....
「或る女」より 著者:有島武郎
肉の熟した古藤に罪を犯させて見たくってたまらなくなった。一夜のうちに木村とは顔も
合わせる事のできない人間にして見たくってたまらなくなった。古藤の童貞を破る手を他....
「或る女」より 著者:有島武郎
その注意に従おうとした。で、古藤の黙ってしまったのをいい事に、倉地と古藤とを引き
合わせる事もせずに自分も黙ったまま静かに鉄びんの湯を土《ど》びんに移して、茶を二....
「星座」より 著者:有島武郎
ども、しまいこんでおくにはどこにおくにも始末の悪い代物だった。結局その場のばつを
合わせるために、そうかといって聞いておけば、それですむような事柄なのだ。で、人見....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
なりゃしないや。も少し獅子鼻ででこぼこのある……まあこれだな、ベトーヴェンで間に
合わせるんだな。 青島、塗りはじめる。 沢本 ああ俺はもうだめだ。興奮が過ぎ去....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
o:nix〕)の行方を時と空間の無限の果まで追跡してみれば、これらのすべてを考え
合わせるところの霊性は深い驚嘆の淵に沈むであろう。』 当時はまだ器械的熱学理論....
「雪の女王」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
あわせて、なにかつくろうとしていました。まるでわたしたちが、むずかしい漢字をくみ
合わせるようでした。カイも、この上なく手のこんだ、みごとな形をつくりあげました。....
「女客」より 著者:泉鏡花
ってね。お互に今聞いても、身ぶるいが出るじゃありませんか。」 と顔を上げて目を
合わせる、両人の手は左右から、思わず火鉢を圧えたのである。 「私はまた私で、何で....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
応じて、コロコロ。少し心着いて、続けざまに吹いて見れば、透かさずクウクウ、調子を
合わせる。 聞き定めて、 「おや、」と云って、一段|下流の板敷へ下りると、お源....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
。」 「あの、綺麗な娘が。」 「まったくねえ。」 と俯向いて、も一つ半纏の襟を
合わせる。 十七 「妙齢で、あの容色ですからね、もう前にから、いろ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ると、黒髪の影の池の中で、一つ、かたかたと鳴くに連れて、あたりの蛙の一斉に、声を
合わせるのが、 松の根本に苺が見える………… あの当時の唄にそのままです。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が薄黒く、目の前へ蔽被さって、物凄うもなりましたので、褌を緊め直すやら、膝小僧を
合わせるやら、お船頭が、ほういほうい、と鳥のような懸声で、浜へ船をつけまして、正....