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「合目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

合目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藪の中」より 著者:芥川竜之介
の太刀打ちがどうなったかは、申し上げるまでもありますまい。わたしの太刀は二十三|合目《ごうめ》に、相手の胸を貫きました。二十三合目に、――どうかそれを忘れずに下....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
寄せる紆濤《うねり》のように跡から跡から吹き払っていった。寒い風だ。見上げると八合目まで雪になったマッカリヌプリは少し頭を前にこごめて風に歯向いながら黙ったまま....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
いき」は茶屋建築に求めてゆかなければならぬが、まず茶屋建築の内部空間および外形の合目的的形成について考えてみる。およそ異性的特殊性の基礎は原本的意味においては多....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
えているその姿には、くんでもくんでも尽きない平明な神秘が宿っている。見ると山の八合目と覚しい空高く、小さな黒い点が静かに動いて輪を描いている。それは一羽の大鷲に....
親子」より 著者:有島武郎
ない。ちょうど七十二になる彼の父はそこにかかるとさすがに息切れがしたとみえて、六合目ほどで足をとどめて後をふり返った。傍見もせずに足にまかせてそのあとに※いて行....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ないような軌道を動いていた遊星はだんだんに除去され、そうして最後に現在の非常に『合目的』な系統ができ上った。この系統の余りに驚くべき安定度から、ニュートンは、何....
星あかり」より 著者:泉鏡花
めて塩ッ辛いが、底は浅い、屈んでざぶざぶ、さるぼうで汲み得らるる。石畳で穿下した合目には、このあたりに産する何とかいう蟹、甲良が黄色で、足の赤い、小さなのが数限....
単独行」より 著者:加藤文太郎
いと私は信ずるから。東駒の下山道で尋常六年生くらいの子供二人に出会った。彼等は八合目の人のいない石室に寝て翌朝御来光を拝し下山したのだが、さすがは山の子、感心な....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
三郎は足を早め裾野をさして下って行く。 彼の歩いているその辺はどうやら富士も五合目らしく、その証拠には木という木がほとんど地面へ獅噛み付いている。そうしてその....
四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
び、顔の腫脹に皮が釣れて耳の後で罅裂れ、そこに蛆が蠢き、脚は水腫に脹上り、脚絆の合目からぶよぶよの肉が大きく食出し、全身むくみ上って宛然小牛のよう。今日一日太陽....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
立し、ある一方面から石を覗いているのであって、ある特定の立場から石を眺めてこれを合目的の知識の系統に従属せしめんとするのである。いまだ石そのものの完全なる知識で....
星女郎」より 著者:泉鏡花
、どさりと音でもすると、天井から血みどろの片腕が落ちるか、ひしゃげた胴腹が、畳の合目から溢出そう。 幸い前の縁の雨戸一枚、障子ばかりを隔てにして、向うの長土間....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
輝かせている。 二人は押し合っているのである。 呼吸が合して離れたならば、二合目の太刀が合わされるであろう、どっちか一人の呼吸が乱れて、もしも構えが崩れたな....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
められた粘土を抜け出して片盤坑の一層太い鉄管へ合流している発火坑の通風管を、その合目から切断してしまうと、その鉄管の切口から烈しい圧力で排出されて来る熱|瓦斯の....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
三百年の間に九回の噴火をしている。その度に大小の災害はあって、ひどいのは須走口一合目に在る小富士を噴出させたり、精進湖と西湖は、もと一つの湖であったのを山から溶....