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吊り上げ
「吊り上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吊り上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女仙」より 著者:芥川竜之介
のです。書生はどうしたのかと思いながら、彼女の家の前へ行って見ました。すると眉を
吊り上げた彼女は、年をとった木樵りの爺さんを引き据え、ぽかぽか白髪頭を擲っている....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
よって廻転を始めるにつれ、やがて紐は手繰られてピインと張り、片方の端にある短剣を
吊り上げたのです。ところで、氷柱が動力線に達するまでの時間と円筒の廻転数との間に....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
て、その父親が九十の祖母とすこし長話をしても、いやらし、やめよ、と顔色を変え眼を
吊り上げ立ちはだかってわめき散らすという願ったり叶ったりの十六のへんな娘を見つけ....
「やんぬる哉」より 著者:太宰治
し奮発してお礼に差出すと、それがまた気にいらないらしく、都会の成金どもが闇値段を
吊り上げて田舎の平和を乱すなんておっしゃる。それでいてお金を絶対に取らないのかと....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、軽い体が雪の上を泳ぎはじめた、アッア、アッと本能的に叫んだときには、足の爪先が
吊り上げられたように、万年雪を蹴って、頭の中は冷たい水をさされた、もういきおいの....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
あくまでも白く、眉毛|秀で、目元きりゝっとして少し癇癪持と見え、鬢の毛をぐうっと
吊り上げて結わせ、立派なお羽織に結構なお袴を着け、雪駄を穿いて前に立ち、背後に浅....
「地球要塞」より 著者:海野十三
り動かした。 「これはいかん。わが艇は、何者かの手に捉えられ、今、どんどん水面に
吊り上げられていくのだ。ぐずぐずしていると、もう二度と、自由な身になれないぞ」 ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
らおろされると、下にいる人民は、それに手紙をくゝりつけます。そして、紐はすぐまた
吊り上げられます。ちょうど、子供が凧の糸の端に、紙片を結びつけるようなものです。....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
方を改良して………… 革命の時に、街灯柱を絞首台代りにして、民衆の敵を滑車綱で
吊り上げて絞殺したのである。 鳴声も羽毛も美しい鳥ども 貴族をさす。 肩を竦め....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
野と相撲をとって勝った手だといわれている。 講談本によると、怪力の股野が河津を
吊り上げて今や大地へたたきつけんばかり勝敗定まったりと思うときに、吊られた河津が....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
いる詩人の感得を述べてる処に寓って来る。どの家の井でも深ければ深い程、竜宮の水を
吊り上げる事の出来る様なものである。此水こそは、普遍化の期待に湧きたぎっている新....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
、腸管の両端を糸でしばって液中に縦に浮游せしめて下端を器の底に固定し、上端を糸で
吊り上げ、糸の先に梃子をつけ、腸の運動を梃子に伝わらしめて、之を曲線に書かしめる....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いわれぬ苦痛の身を、瀕死の床に横たえる彼だった。彼の病床は、例の小礼拝房のなかに
吊り上げられ、それゆえ、その死にかかった目は、最後の瞬間まで、大会堂の高らかな祭....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
りほか批評する言葉がありません」 賀川市長は太閤さんを味方に引込んだので、肩を
吊り上げてニコニコしている。 「やはり太閤さんは違ったところがおますなア」と島が....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
! ッて階段を転がり落ちたんですよ。私が抱き起して、どうしましたッて云うと、眼を
吊り上げて、ペッペッと唾を吐きながら、やけに半帛で口を拭いてるんですよ』と云って....