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「吊橋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吊橋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
あった。間もなく城壁の一部ががたんと外《はず》れて横たおしになった。それはお城の吊橋《つりばし》を下ろしたような工合のものであった。果たして中から、どやどやと数....
筧の話」より 著者:梶井基次郎
私は散歩に出るのに二つの路を持っていた。一つは渓《たに》に沿った街道で、もう一つは街道の傍から渓に懸った吊橋《つりばし》を渡って入ってゆく山径だった。街道は展望を持っていたがそんな道の....
単独行」より 著者:加藤文太郎
プスを今また電車で中央アルプスを見たので、一時も早く南アルプスを見ようと天竜川の吊橋を渡って部奈へ急に登って行く。汽車の疲れと五人ほどの登山者が半時間くらい前に....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
その紅と金、小林清親の横浜何番館、そうして私たちの「パンの会」、永代の一銭蒸汽と吊橋、小伝馬町は江戸の白い並倉と新しい東京の西洋料理店、椅子に三味線、紅提灯に電....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
くして瀬をなし淵をなし流るる川のさまも凡ならぬに、此方の岩より彼方の岩へかかれる吊橋の事なれば、塗りたる色の総べて青きもなかなかに見る眼|厭わしからず、瑞西あた....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
払って附いて出ました。古びた裏門を出ると、邸の廻りに一間幅位の溝があって、そこに吊橋が懸っています。それを下して、ずんずん右の方にいらっしゃいます。左はそこらの....
発掘した美女」より 著者:坂口安吾
谷底に滝がいくつもあった。そして、そこに一軒の旅館があった。一列にしか歩けない吊橋を渡るとその旅館である。 「オ! 電燈がついてる! 自家発電だ」 「ア! 一....
デイモンとピシアス」より 著者:鈴木三重吉
寝室へは、だれも近づいて来られないように、ぐるりへ大きな溝を掘りめぐらし、それへ吊橋をかけて、それを自分の手で上げたり下したりしてその部屋へ出這入りしました。 ....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
、炭俵を負うた若い女が山から下りて来たが、佇む余等に横目をくれて、飛ぶが如く彼|吊橋を渡って往った。 山下道を川に沿うて溯ること四五丁余、細い煙突から白い煙を....
レンブラントの国」より 著者:野上豊一郎
い土地に運河が縦横に網を張って、堤防が到る所に築かれ、運河には舟が泛び、町ならば吊橋やはね橋が架けられ、田舎ならばその傍で風車がくるくる廻ってなければならない。....
若き日の成吉思汗」より 著者:林不忘
もすでに敵の手に――。 札木合《ジャムカ》 (こわごわ覗いて)吊り橋を早く、三の吊橋を上げろ。 参謀一 もはやその暇もありませぬ。 台察児《タイチャル》 誰か行....
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
の山の窪みにある人けの絶えた狭い村に下りた後、小さな谿流《けいりゅう》にかかった吊橋を渡って、その村の対岸にある栗の木の多い低い山へ攀《よ》じのぼり、その上方の....
山峡新春」より 著者:宮本百合子
夜中の一時過、カラカラ、コロコロ吊橋を渡って行く吾妻下駄の音がした。これから女中達が髪結に出かけるのだと見える。....
湯ヶ島の数日」より 著者:宮本百合子
の子の歌を連想した。南画的樹木多し。私達の部屋の障子をあけると大椎樹の下に、宿の吊橋が見える。 十二月二十九日 昨日の天候は特別であった由。今日は寒い。隣の尺....
三国志」より 著者:吉川英治
長く鳴った。 「やっ、なんだっ」 寄手の諸将はためらい合ったが、曹操はもう濠の吊橋を騎馬で馳け渡りながら、 「田氏の合図だっ。何をためらっているか。この機に突....