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「同じくは〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

同じくはの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
過去に化してしまった。再び眼の前に現れぬと云う不慥《ふたしか》な点において、夢と同じくはかない過去である。 病院を出る時の余は医師の勧めに従って転地する覚悟は....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、横浜開港場の空気に触れる機会の多かったものもある。それらの人たちはまた、閲歴も同じくはないし、旧幕時代の役の位もちがい、禄も多かったものと寡なかったものとある....
源氏物語」より 著者:紫式部
かけはなれたる住家にも物忘れせぬ秋の夜の月 「おなじくは」(あたら夜の月と花とを同じくは心知られん人に見せばや) とあった。 「自分はたいそうにせずともよい身....
源氏物語」より 著者:紫式部
無益な歎きをせぬために、この寝殿を壊ってお山のそばへ堂にして建てたく思うのです。同じくは速くそれに取りかからせたいと思っています」 とも言い、堂を幾つ建て、廊....
源氏物語」より 著者:紫式部
恨めしそうに言い、帰ろうとした時に、尼君が、 「あたら夜を(あたら夜の月と花とを同じくは心知れらん人に見せばや)お帰りになるのですか」 と言って、御簾の所へ出....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
《こめむぎ》を蒔《ま》いた田畑に米麦がよく繁茂するのも、害草が繁茂するのも、共に同じくはびこるのである。一は有益なる植物なるゆえにこれを喜び、一は邪魔《じゃま》....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
たいので。 「宗匠、この胴の間は乗心地は好いに違いないが、西日が当ってイケない。同じくは艫の方へ移って帆を自然と日避けにしたいものだが」と若殿は云い出した。 「....
山の人生」より 著者:柳田国男
こうのりゅうぐうの宮、志賀の辛崎明神と御かたらいあって、懐姙すでにその月に近く、同じくはわが国に還って産をなされんとして、明神に扶けられてこの嶺を越えたもう折に....