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同居人
「同居人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
同居人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「饗応夫人」より 著者:太宰治
あ、たいへん結構な住居《すまい》じゃないか。戦災をまぬかれたとは、悪運つよしだ。
同居人がいないのかね。それはどうも、ぜいたくすぎるね。いや、もっとも、女ばかりの....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
れませんは、不思議なもので、お取締りは随分厳重になって、コラお前の家《うち》には
同居人はおらんか、と戸籍調べのお巡査《まわり》さんはお出《いで》遊ばしても、左様....
「癩」より 著者:島木健作
ひょろひょろした肺病やみの若者がいきなりすっくと立ち上った。あっけに取られている
同居人を尻目にかけて、病み衰えた手に拳《こぶし》を握ると、素手で片っぱしから窓ガ....
「蠅男」より 著者:海野十三
だっしゃろな。なんでも元は由緒あるドクトルかなんかやったということだす」 「外に
同居人はいないのですか、お手伝いさんとか」 「そんなものは一人も居らへんというこ....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
作人仲間の物識と立てられるだけのことがあった。地主と隠居の間には、台所の方に居る
同居人母子のことに就いてこんな話も出た。 「へえ、あれが娘ですか」 「子も有るん....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
うに大きな呼吸をして、警部の方へ振向いた。 「大寺君。この家には、被害者の外にも
同居人が居たんだろう」 検事の質問には、言外の意味が籠っているようであった。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れを兵馬には押隠し、自分の生活は、久助さんのほかには水入らずだということを示し、
同居人、すなわち竜之助のことを兵馬に語るはずのないのは、その以前から二人の間にわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
でござんしょうな」 とお世辞を言ったのは、二人ともに充分納得のゆく、この新屋敷の
同居人、不破の関屋の関守氏でした。 二十三
同居人とは言いな....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
がね。とにかく訊問してみ給え。恰度今し方、この傷口にピッタリと合う彫刻用の鏨が、
同居人の厨川朔郎と云う洋画学生の室で発見された所なんだ」 一同は本堂に向ったが....
「蘇生」より 著者:豊島与志雄
人物 高木敬助………二十四歳、大学生 中西省吾………二十五歳、大学生、敬助と
同居人 山根慶子………二十一歳、敬助の自殺せる恋人 同 秋子………十八歳、慶子の....
「絶縁体」より 著者:豊島与志雄
六千円から一万五千円程度でよかった。ただ住宅所有者や借家居住者が入り交っており、
同居人もあり、借家の家主もまちまちだったので、費用は各戸の世帯主が負担するという....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
トに一人で住んでいる。近くに親戚の家があるのだが、その人達とは気分が合わないし、
同居人が一杯いて室の余裕もない。ところが、アパートの方は、他に転売されて何かの寮....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
あろう。 私はこんな青年はザラにいると考えているのである。彼はたぶん変質者で、
同居人や、主人筋の人々に愛されず、ひそかな反抗を内攻させて、あげくの放火であった....
「火の扉」より 著者:岸田国士
めかえたらしい木の標札が「二木康夫」と出ている。そして、その下に、これは、臨時の
同居人とおぼしい二枚の名刺がはりつけてあつた。 道順を書いた紙ぎれを手に、この....
「魔像」より 著者:林不忘
け寄って、「喬さまッ! 喬さまッ! 喬さまはどのお駕籠に……?」 三
同居人の喬之助の口から、妻の園絵への思いを聞かされた喧嘩屋夫婦の右近とお絃は、粋....