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名を成す
「名を成す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名を成すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
のだ、そいつが、残りの者を順番に引き立てていけばいいんだ」と、桑田は、その最初に
名を成す者が、自分であるような自信をもっていった。 「そうとも、文芸部で委員をし....
「山月記」より 著者:中島敦
の語る不思議に聞入っていた。声は続けて言う。 他でもない。自分は元来詩人として
名を成す積りでいた。しかも、業|未《いま》だ成らざるに、この運命に立至った。曾て....
「口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
口ずさんだかな。よく覚えておらん。」 「これからは、心気一転して、おおいに天下に
名を成すよう、まず、振り出しに、この、吉良殿の護衛として、十分に働いてみると、あ....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
も只は起きないというのが彼等の本能みたいになっているので、この本能の一番強い奴が
名を成すことを、彼等は肝に銘じているんだよ」 「驚きましたね。そんなに非道いもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ると、尋常な絵師とは思われません。今こそ落魄《らくはく》はしているが、後来必ずや
名を成すのは、あんな人だろうなんぞと米友は考えました。 やがて、柳原河岸近くま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
らないことにたくんでお置きなさる、我々はいつのまにか宗舟画伯に生捕られて、画伯の
名を成すために、後世に恥をのこさねばならぬ」 「いや、どういたしまして、あなた方....
「保久呂天皇」より 著者:坂口安吾
したあとであった。メートル法にも敗れている。一生の事業はみんな敗れて、おのずから
名を成す見込みを失っていた。その一生に対しても最後の反抗を試みないわけにいかなか....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
に於ては特に其教育を重んじ、女子にして物理文学経済学等の専門を修めて自から大家の
名を成すのみならず、女子の特得《とくとく》は思想の綿密なるに在りとて、官府の会計....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
る。 この人は孤独な人であるから、一人で出来る仕事を撰べば、四十台にして一応の
名を成すが、四十五、六、七という時期は仕事と金の両面で内面的に悩むときである。五....
「瘠我慢の説」より 著者:福沢諭吉
わず。すなわち国を立てまた政府を設《もうく》る所以《ゆえん》にして、すでに一国の
名を成すときは人民はますますこれに固着《こちゃく》して自他の分《ぶん》を明《あき....
「絹と紙の話と師弟の間柄の話」より 著者:上村松園
。 一体今日の師弟の関係からしてあまりに功利的に過ぎるというものです。社会的に
名を成すために便宜だとか、帝展に入選するために都合がいいとか、まるでそういう道具....
「近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
ない状態の下に作られているというのはこのことです。 私は別に陶器作家を以て世に
名を成すのが目的ではありませんから、現代作家を凌駕し排撃して、その栄冠を自己一人....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
す。様々な刃物の類を作りますが、中では鋸を選ぶべきでしょうか。ある町がある品物で
名を成すということは、面白いことだと思います。姫路もまた同じように、一つの技で聞....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
方にかけては、知ることの浅い青年に過ぎなかった。 彼のような考えは、彼が大いに
名を成すか、富を得るかした後に考えるならば、少しも不当にはならないが、この寒空を....
「三国志」より 著者:吉川英治
慨まことに無量。よろこびにたえません」 「おお、徐晃なるか。ご辺も近来|赫々と英
名を成す。ひそかに関羽も慶賀しておる。さはいえ何故、わが子関平に、苛烈なるか。昔....