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「名乗り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

名乗りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
た時、ある日本《にほん》の船頭に危《あやう》い命を助けて貰いました。その時は互に名乗りもせず、それなり別れてしまいましたが、今わたしの見た弥三右衛門は、当年の船....
透明猫」より 著者:海野十三
た。 というのは、はじめの「透明猫」をつくった羽根木博士という学者が、その筋へ名乗り出たからである。 博士の研究は、肉体の透明化にあった。からだを、空気と同....
深夜の市長」より 著者:海野十三
長の声がした。さあもうどうすることも出来ない、百年目である! 僕は覚悟を決めた。名乗りをあげてT市長の面前に立とう。……しかしT市長! 本物の市長なのだ。「深夜....
人間灰」より 著者:海野十三
った。 「私が技師の青谷二郎です。――」 続いて後に立っていたのが、こんな風に名乗りをあげたが、これは工場主とはちがって、すこし才子走っているが、容姿端麗なる....
三人の双生児」より 著者:海野十三
今夜は逢わないという奥さまのお云付けを伝えるとそのまま帰った。しかし自分の名前を名乗りもせず、九月の始めになると、また当地を通るから、そのときに気が向いたら寄ろ....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
「ぼくを、その一人に採用して、ここへ残していって下さい」 正吉は、まっさきに名乗りをあげた。 「なんだ、少年がここに残りたいのか。よろしい。正吉君は員数外だ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
はだやっかいな宇宙服ですから」 と、ロバート大佐は釈明をしてから、じぶんの名を名乗り、ふたりの随員を紹介した。そして、 「あなたは艇長でいらっしゃいますか」と....
心臓盗難」より 著者:海野十三
ひどい猫背の男は、飄々として、S字状に曲った狭い坂道をのぼって行く。この男こそ、名乗りをあげるなら誰でも知っている、有名な頑張り探偵の袋猫々その人であった。彼こ....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
至急報告 “こっちは、軍団司令部だ” 合言葉の交換がすむと、司令部の通信兵は、名乗りをあげた。 “おう、しめた。こっちは、カモシカ中尉どのからの速達報告だ” ....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
でしたので大流行を極めた。この男の売声というのは、初めに「十軒店の治郎公」とまず名乗りを上げて、次にそれは/\猥褻な歌を、何ともいえぬ好い喉で歌うのですが、歌は....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
も、こうなっては燻製屋の仮面をさらりとかなぐり捨て、ルーズベルトの特使でござると名乗りあげて、金博士の前に陣を構えているわけである。事は早くなければならない。「....
最小人間の怪」より 著者:海野十三
、それからふしぎな会話をつづけた。その微小人間は、自分はヤナツという者だがと名を名乗り、自分たちは、やがて君たち現代の人類が滅亡したあとにおいて、人類に替って地....
キド効果」より 著者:海野十三
ならば、大した問題にもならず、通り一遍の刑事問題として扱われ、適当な人間が犯人と名乗り出て処刑されれば済む筈だった。だが本件に限り甚だ面倒な事情があった。殺され....
迷信解」より 著者:井上円了
伏せて『大般若』を繰り、『心経』を読み、大勢集まりて一心に祈りければ、山々の天狗名乗りつつ退く。長老は無性になりぬ。そのとき、近所の者どもは寺の客殿の上に火の手....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
きにあらず、久しく西洋にありて、かの地の食に慣れたるによる。 船中に旧教の尼数名乗り込む。みなシナに伝道するものなり。シナ人夫婦、小児を携えてまた乗船す。尼そ....