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名乗る
「名乗る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名乗るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
村の父の世話になっていると云う事、その父の歿後どこかから妾腹《しょうふく》の子と
名乗る女が出て来て、一時は面倒な訴訟《そしょう》沙汰にさえなった事があると云う事....
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子にすら見当がつかなかった。葉子がはいって行っても、彼らは格別自分たちの名前を
名乗るでもなく、いちばん安楽な椅子《いす》に腰かけていた男が、それを葉子に譲って....
「或る女」より 著者:有島武郎
その特長は見えないらしかった。倉地はどこの馬の骨かと思うような調子で、自分の名を
名乗る事はもとよりせずに、軽く帽子を取って見せただけだった。そして、
「光明寺の....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
た。 (すると、出発当日、艇のそばへ姿をあらわし、じぶんと手をにぎったガスコ氏と
名乗る松葉杖の人はいったい誰だったのかしらん) 隊長の服の袖をひく者があった。....
「海底都市」より 著者:海野十三
、すぐ帰って来られるんだね」 「もちろん、そうだよ。時間器械のところには辻ヶ谷と
名乗る僕がいつもついているんだから、君の希望どおりにしてあげられる。――どうやら....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
をつけて、ぼくをからかっているんだ。それにちがいない……。それに、あのカロチとか
名乗る植物学者は、日本語をじょうずに話しているじゃないか。地球以外の星で、いきな....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
分は妻だというのである。 「おれの妻はアンだ。それに、今また仏天青の妻の金蓮だと
名乗る女が現れた。一体、これは、どういうわけだろう。どっちが本当かしら」 彼の....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
っちへ入ればいいじゃないか」 と、番兵は折れて出る外はなかった。 ゴルドンと
名乗る兵曹は、急足で無線室へとびこんだ。 そのあとを見送った番兵同志の話―― ....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
っと仰いで、優い顔で、 「ご遠慮なく……私は清川謙造です。」 と念のために一ツ
名乗る。 「ご免下さいまし、」 はらりと沈んだ衣の音で、早入口へちゃんと両手を....
「小杉未醒氏」より 著者:芥川竜之介
壮な面目を具えている。僕も実際初対面の時には、突兀たる氏の風采の中に、未醒山人と
名乗るよりも、寧ろ未醒蛮民と号しそうな辺方|瘴煙の気を感じたものである。が、その....
「暗号数字」より 著者:海野十三
だから外でお目に懸りましょう。それには、こうしてください」 といって、木村氏と
名乗るその役人は、帆村に対し、今から三十分後、日比谷公園内のどこそこに立っていて....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
伊田見男爵 伊田見男爵と
名乗る優男が、村の一小学教師をたずねて、この牛久沼畔へ出現ましました。 男爵令....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
荷町の鏡研、自分達が早や変化の類じゃ、へへへへへ。」と薄笑。 「おやおや、汝から
名乗る奴もねえもんだ。」と、かっちり、つらつらと石を合せる。 「じゃがお前、東京....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
歴を語るは、江戸の文化の断片として最も興味に富んでおる。 椿岳及び寒月が淡島と
名乗るは維新の新政に方って町人もまた苗字を戸籍に登録した時、屋号の淡島屋が世間に....
「活人形」より 著者:泉鏡花
です。「ええ、と病人は力を得たる風情にて、「そうして御姓名は。「僕は倉瀬泰助。と
名乗るを聞きて病人は嬉しげに倉瀬の手を握り、「貴下が、貴下があの名高い……倉瀬|....