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名人芸
「名人芸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名人芸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
かった。一文菓子屋の息子はもう孫が出来て、店にぺたりと坐った一文菓子を売る動作も
名人芸のような落着きがあった。相場師も夜逃げをしなかった。 公設市場が出来ても....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
実を告白しているようなものだ。 このことはその反対の場合の、あらゆる古典芸術の
名人芸を思い浮べてみたら容易に納得の行くことである。彼らの芸は練習回数の夥多によ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
うとうドドをなにもせずにひっ張ってきたのです」 「なるほど、さすがはジャングルの
名人芸だね」 思わずアッコルティ先生は感嘆の声を洩らした。 「それから、ドドの....
「わが町」より 著者:織田作之助
子はもう孫が出来て、店先にぺたりと坐って、景品附きの一文菓子を売るしぐさも、何か
名人芸めいて来た。 散髪屋の娘はもう二十八歳で、嫁に行かなかった。年中ひとつ覚....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
…。 その身だしなみの言いようなきゆかしさ!……。 「ああ、いい女形だな……。
名人芸だ」 思わず団十郎が感に堪えかねたように、すだれの中から呟きました。 ....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
いのだから。 人形や歌舞伎や能楽とても同断である。粋や通なるものから血の通わぬ
名人芸は生れるかも知れないが、本当に民衆の血とともに育つ一流の芸術は生れない。わ....
「調査機関」より 著者:中井正一
、個人から個人へ、秘伝として伝えられる、といった様式である。そこでは、職人気質、
名人芸といったものがはばをきかす。このような方法で生産された手工業品には、人間的....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
。実に立派だ。あの役者は馬の芸が達者だなア。あの馬の見栄の切り方を見なよ。これを
名人芸と云うんだなア、と云ってほめることができる性質のものではありやせんなア。 ....
「武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
小説であった。宇野浩二――川端康成――武田麟太郎、この大阪の系統を辿って行くと、
名人芸という言葉が泛ぶ。たしかに、宇野、川端以後の小説上手は武田麟太郎であった。....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
。私は、手鞠の振りから、花笠――それから、手習い、鈴、太鼓……と、呼吸もつがせぬ
名人芸に、ただ、うっとりと、舞台を見つめるのみでございましたが、ふと、気づきます....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
能楽こそは、真の国粋を誇りうる芸術だといえましょう。 ◇ 私は、その
名人芸を見る度毎に、精神的な感動を受けます。どうしてこうも神秘なのであろう、こう....
「握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
司屋は、かつて宮内省等への出前、何百人という出前を扱った寿司屋であるというから、
名人芸を云々するよりも、むしろ事業的に成功した寿司屋であったように思われる。そこ....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
務的である。こう賢く、遊びがなくては気の毒である。かつ下手くそにこなれなくては、
名人芸とはいい難い、というのも私の見方である。 現存者中、私の知人に、月並越え....
「かもめ」より 著者:神西清
ァの定期市で、あの女優はすばらしい芸を見せましたっけ。ただ驚嘆の一語に尽きます!
名人芸でしたな! それから、これも次手に伺いたいですが、喜劇役者のチャージン――....
「わが町」より 著者:織田作之助
一文菓子屋の息子はもう孫が出来て、店にぺたりと坐って一文菓子を売るしぐさも、何か
名人芸めいて来た。散髪屋の娘はもう三十二才で、嫁に行かなかった。年中一つ覚えの「....