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名器
「名器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
べ》に鯉魚庵《りぎょあん》を開いて聖胎長養《せいたいちょうよう》に入ったが、将来
名器の噂が高い。 恋愛《れんあい》関係において一方が悟《さと》ってしまったら相....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
柄の関で抑留した為、関守はその領地を没収された様な悲喜劇もあった。或時は数寄屋に
名器を備え、家康、信雄等を招待して茶の湯会をやって居る。やがて酔が廻り、美妓が舞....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
れを出します。尤も豪家ですから善い道具も沢山所持して居ります。殊に茶器には余程の
名器を持って居りますから自慢で人に見せます。又御領主の重役方などを呼びましては度....
「黒白ストーリー」より 著者:杉山萠円
八はかなり吹ける方で自分では非常な天才のつもりでいた。 哲也は師匠歌寿が秘蔵の
名器「玉山」を是非譲ってくれと頼んだが歌寿は亡夫の形見だからと断った。 無理に....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
曳く、玉の轆轤が、黄金の井の底に響く音。 「ああ、橋板が、きしむんだ。削ったら、
名器の琴になろうもしれぬ」 そこで、欄干を掻い擦った、この楽器に別れて、散策の....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
は、秀吉の有に帰したのである。 楢柴を得た秀吉は、勿論非常に喜んだが、そういう
名器であって見れば、迂濶に左右に置くことも出来ぬ。で、利休へ預けたのである。 ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
取れず、で、呆然としたのであった。 「代々の将軍家より当田安家に対し下し賜わった
名器什宝を、盗み出した盗人こそ、そこに居る腰元八重なのじゃ!」 驚かない主税を....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
はござりませぬ。まずそっとしてお置きなされ、それに貴郎の所には殿下よりお預かりの
名器もあり、さような物でも望まれましたら、それこそ一大事ではござりませぬか」 ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
もないことで、どこがよいのかしこがよいのと、さようなことはわかりませんが、しかし
名器と申しますものは、ただ一見致しましただけでも、いうにいわれぬ品位があり、この....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
み。……何んで?」 「拙者は武士、武士は不断に、名刀を恋うるもの。天国は、天下の
名器、至宝中の至宝、武士冥利、一度手に取って親しく」 「なるほどねえ、さようでご....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
それは確かに芸術的生命をもつところの名作のことであろう。それあればこそ、今日まで
名器として長々鑑賞家の懐に抱かれ、敬愛されてきているのである。だから眼利きの欲望....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
さんは茶道に縁あって以来というもの中国陶磁に朝鮮陶器に日本ものに、ありとあらゆる
名器を幾度となく、繰り返して玩味せられたであろう。しかしてわれわれいわゆる素人が....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
手の得心をかちうるまでには、意外の務力を要した次第であった。 最初から最後まで
名器名幅を購い得ない者は、伝統を守りぬき、これを足がかりとしておるお茶人との交遊....
「食器は料理のきもの」より 著者:北大路魯山人
振を来たし、よい食器皆無の因をなしているのであります。 一方、たまたまある食器
名器というものは、いずれも故人のつくったもので、今日では、そういうものは一個の美....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
もし、これがすでに萎れかかっているような花であるならば、いかなる名手が、いかなる
名器に活けようと、花の美は天成的に味わうことは出来ない。人工人為は所詮天成に代え....