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名実
「名実〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名実の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
気の毒にも一階受持ちの女給八人、二階受持ちの女給七人、合計十五人の娘子軍に対し、
名実共に頭が上らなかったのである。 こうした風景が、カフェ・ネオンにおいて表面....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
売れば十万やそこらにはなるだろうから、それにヤンの資産をくわえて研究所を拡張し、
名実兼ねた総合病院にしようというのだった。つまり、座間がしている社会施設を、ヤン....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
台という、大サーカスになるまで、浮沈を共にした、情にもろい気さくな性格は、いまや
名実ともにこの一座の大姐御。といって、愛嬌はあるが、寸分も美人ではない。まあ、十....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
は望みのないと思っていた両親に、めぐりあえたのであった。いや、しかもその両親は、
名実ともにじつにりっぱな両親であったことは、小雪の幸福であった。 小雪は、今は....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
関を構えて、新夫人にかしずかるべき処を、僻して作家を志し、名は早く聞えはするが、
名実あい合わず、砕いて言えば収入が少いから、かくの始末。藍染川と、忍川の、晴れて....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
である。これを退歩と見るか進歩と見るかは各人の自由であるが、少なくとも私は映画が
名実ともに芸術としての第一歩を踏み出したのは実にこのときからであると考えている。....
「S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
で、筋の通つたものです。 たゞ問題は、その運営にある。いつの場合もそうですが、
名実相伴わぬのが官庁の仕事であり、その原因がどこにあるか。これまた、衆目一致する....
「兜」より 著者:岡本綺堂
いた。 それから四年目の慶応二年に、隠居の勘十郎は世を去って、相続人の勘次郎が
名実ともに邦原家の主人となった。かれはお町という妻を迎えて、慶応三年にはお峰とい....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
市場に出た。が、今は他のものを装る器具でない。瓜はそのまま天来の瓜である。従って
名実ともに鏨は冴えた、とその道のものは云った。が惜しいかな――去年の冬、厳寒に身....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
朝末の記録のひとしく記するところ。源頼朝、征夷大将軍に任ぜられて、これを討伐す。
名実相副うものなりといわざるべからず。しかして鎌倉の記録たる『吾妻鏡』、また実に....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
、鎮守府将軍のことはその前例もあったことであるが、これを陸奥守とするとのことは、
名実ともに奥州を夷狄に委任してしまう訳のものであるからである。兼実はむろん内々こ....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
胤すなわち護法たる双六谷の天狗の子孫として、他から認識された結果であると解して、
名実ともに相叶うものではあるまいか。 元来飛騨は山奥の国であって、なお大和吉野....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
了されたのだった。エリザベスが、ロバアト・セシルを彼女の侍史に任命したのである。
名実備わる侍史だった。他にもその地位を望む候補者がいた。一群の候補者のなかでも、....
「西航日録」より 著者:井上円了
るが、十五年前と今日とさらに異なるところなし。しかるにその国を大清国と称するは、
名実不相応といわざるべからず。自今、よろしく日本を大清国と名づけ、シナを大濁国と....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。ラプラタ川はスペイン語にて銀河の義なり。しかして、その色黄赤にして泥のごとし。
名実不相応というべし。 平野青如迷。 (平野は青々として海のようにひろがり、ラプ....