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名文
「名文〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名文の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
》の弔辞《ちょうじ》を繰りひろげた。弔辞は勿論二三日|前《まえ》に保吉の書いた「
名文」である。「
名文」は格別恥ずる所はない。そんな神経はとうの昔、古い革砥《かわ....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
読み通すことができたように記憶する。
その時、はじめて樗牛に接した自分は、あの
名文からはなはだよくない印象を受けた。というのは、中学生たる自分にとって、どうも....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
汽車がとまる。瓦斯《ガス》燈に「かしはざき」と書いた仮
名文字が読める。予は下車の用意を急ぐ。三四人の駅夫が駅の名を呼ぶでもなく、只歩い....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
きあげたのを、自慢そうだ―― 「どれ見せろ」と、僕は取って見た。 下手くそな仮
名文字だが、やッとその意だけは通じている。さきに僕がかの女のお袋に尋ねて、吉弥は....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
部では、印刷電信機が、リズミカルな響をあげて、各所の要地から集ってくる牒報を、仮
名文字に打ち直していた。 事態は、刻々に、うつりかわって、北満、朝鮮国境からの....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ここだというところまで解いて、それで駄目だったのは、あの『あらまそーお』云々を仮
名文字のまま引繰りかえしたから失敗したのだ。それで日本式のローマ字に綴って、それ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
その紙片は十数通の無線電信の受信紙であった。 大尉は一番上の受信紙の、片仮
名文字の電文を口の中で読みくだした。 「ヒコートウノコージハオモイノホカハヤクデ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
昔に帰ってゲラゲラとワンタンのように笑うのだった。(ワンタンのように――は誰かの
名文句を失敬したものである。作家というものは、それくらいの気転が利かなきゃ駄目だ....
「端午節」より 著者:井上紅梅
書き詰めに書いても、お前たちを養うことが出来ない。まして乃公の肚の中にはあんまり
名文章がないからな」 「そんなら節句が過ぎたら、どうする積りなんです」 「節句が....
「発明小僧」より 著者:海野十三
、山形市×澄町吹張、伊×長兵衛氏。 この芋焼器の「作用と効果」というのが、実に
名文で、一読、やき芋屋へ走りたくなるという御婦人方には極めて蠱惑的なものである。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、すっかりサラにまいってしまった。 時に、手紙をやったが、それらのうちには中々
名文のがある。翌年七月五日附けの一部を紹介すると、 「私が私の心を知っている位か....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
た。また紅葉の人生観照や性格描写を凡近浅薄と貶しながらもその文章を古今に匹儔なき
名文であると激賞して常に反覆細読していた。最も驚くべきは『新声』とか何々文壇とか....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
な騒ぎであったそうだ。 淡島屋の軽焼の袋の裏には次の報条が摺込んであった。余り
名文ではないが、淡島軽焼の売れた所以がほぼ解るから、当時の広告文の見本かたがた全....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
三味線』を得意がっていた。『門三味線』は全く油汗を搾って苦辛した真に彫心|鏤骨の
名文章であった。けれども苦辛というは修辞一点張であったゆえ、私の如きは初めから少....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
に署名を強要され、やむなく浅沼稲次郎と書き拇印を押したが、怒りにふるえた悪筆の署
名文字がいまだに印象に残っている。昔から三日天下という言葉があるが農民労働党は三....