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名族
「名族〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名族の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
西一家が棲んでいる――と云うよりも、代々|馬霊《ばれい》教をもって鳴るこの南信の
名族にとれば、むしろ悲惨をきわめた流刑地と云うのほかにはなかったのである。 と....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
秀れしものは時に際し事に触れて、いろいろ名前を替えたのだろう。 真田は、信濃の
名族|海野小太郎の末胤で、相当な
名族で、祖父の幸隆の時武田に仕えたが、この幸隆が....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
敷は、何と荒れているのだろう。廃屋と云っても云い過ぎではない。世が世なら伊勢の一
名族、北畠氏の傍流の主人、多門兵衛尉教之殿、その人の住まわれる屋敷だのに。……貧....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
いぶん、張っておるし、何うも、天下の大勢は、一揉めしそうではないか?」
九州の
名族として、七百年来、薩南の地に、蟠居《ばんきょ》し、関ヶ原以来は、上下の分が定....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
て文をのみ尊み、武を賤むの事実あることなし。大宝令の官制にも武官の設あり、貴紳・
名族多くこれに任ぜられて怪しまず。しかして、鎌倉武士また多く源平藤橘等、諸名家の....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
それも他日の発表に保留して、今はただ所謂炭焼長者譚なるものが、地方の豪族の家系を
名族に仮托し、及び身分の向上に対していかに焦慮したかという道行きを示す一つの例話....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
スによって、エセックス伯爵の称号を設定された彼の家は、中世イングランドのあらゆる
名族の血脈を引いている。ハンチンドンの伯爵、ドウセットの侯爵、ロオド・ヘラアズ―....
「加波山」より 著者:服部之総
の精神に富んでいた……」。 河野家じたいがこの「豪族」の一つで、伊予《いよ》の
名族河野氏の裔《すえ》が加藤嘉明《かとうよしあき》に仕え、嘉明が伊予松山から会津....
「三国志」より 著者:吉川英治
る。……ウウム、あなたは景帝の裔孫だったのか。治乱興亡の長い星霜のあいだに、名門
名族は泡沫のように消えてゆくが、血は一滴でも残されればどこかに伝わってゆく。ああ....
「三国志」より 著者:吉川英治
た」 袁紹も、初めて疑いを解いて、ぶしつけな質問をした不礼を詫び、 「楼桑村に
名族の子孫ありとはかねがね耳にしていた。その玄徳どのとあれば、漢室の宗親である。....
「三国志」より 著者:吉川英治
さも不審そうに訊いた。 「なぜということもないが、襄陽はあまりに平和すぎて、名門
名族の士が、学問に遊んだり政治批評を楽しんで生活しておるにはいいかも知れんが、わ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
辞でもすましたような、したり顔で 「足利家も源氏の御嫡流、佐々木殿も頼朝公以来の
名族。申さばおなじ流れのお裔、ここでお会いなされる御縁が、自然待っていたものとぞ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
野州足利ノ庄は、足利の本拠といえ、まことに微々たる一僻地にすぎないが、やはり古い
名族だけのものはあって、他州に分布されていた血流がたまたまこんどのよろこびを機会....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
知りおき下されましょう」 「高家か。ふウむ……」 高ノ党といえば、ちょっとした
名族である。祖は山階家から出ており、三河、武蔵、下野あたりに、子孫は分布されてい....
「エタと非人と普通人」より 著者:喜田貞吉
応仁・文明以来戦国時代の状態は、前者に比して一層著しいものがあった。鎌倉以来の
名族・旧家は大抵この際に潰れてしまって、到る処に新しい大名・小名が蜂起する。非人....