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名物男
「名物男〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名物男の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ぬぞ」 ――声の主は笑止なことに身分柄もわきまえず、大身《たいしん》旗本のこの
名物男早乙女主水之介に、もう久しい前から及ばぬ恋慕をよせている、そこの淡路楼と言....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
」 「なにッ。どこの青僧だ!」 「知らねえのかい。おいらがむっつりのなんとかいう
名物男さ、覚えておきな」 いうかいわないかのせつなです。 パッと地をけって、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
次が言ったのを、 「いや、参ろうぞ。参ろうぞ、独りで参ろうぞ。竜造寺長門守骨ある
名物男ならば、早乙女主水之介の骨も一枚アバラのつもりじゃ。助太刀頼んで乗り込んだ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
―帰るかのう」 いかさまつむじが言う通り少々左ねじです。主水之介いかに江戸一の
名物男であったにしても、時でもない時に釣れる筈はない。だのに、釣れぬと知りつつ、....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
ん》の像をまつって、時宗だったから、僧形で妻帯していたが、円頂で扇をつくって京の
名物男だった。 それに、負けず劣らずだった、江戸の御影堂は、坊主ではなかったが....
「死後の恋」より 著者:夢野久作
れて、白軍の隊から逐い出されてしまったのです。 そこでいよいよ私は、この浦塩の
名物男となってしまいました。この話をしようとすると、みんなゲラゲラ笑って逃げて行....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
腰になって張物をしている。 さて富岡先生は十一月の末|終にこの世を辞して何国は
名物男一人を失なった。東京の大新聞二三種に黒枠二十行ばかりの大きな広告が出て門人....
「無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
見はりは、水夫が引き受けた」 十六人のなかで、いちばんせいが高くて、声の大きい
名物男、姓は川口、名は雷蔵という会員が、 「せいの高い私が、いちばんいい。いちば....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
とに触れようために来たのであった。 与力とは云っても貝十郎は、この時代の江戸の
名物男であり、伊達男であり、風流児であり、町奉行の依田和泉守などとは、そういう点....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
にしたかのように、花よりも美しい若緑を盛り上げて、冷やかな朝東風を薫らせて来る。
名物男の狂歌師、赤猪口兵衛の独住居はすべて二、三日前の通りに閑寂である。 但、....
「南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
ろう? なんとなく、気にかかるな」 波川巡査は当年四十五というウダツのあがらぬ
名物男。かねがね叩きこまれていた第六感という奴をヒョイと思いだして、 「そうだ。....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
下には俊才も少なくなかったが、同時にぽん太とかコマルとかへん朝とか愚かを以て鳴る
名物男も存在していた。あるいはこれらの誰かがモデルだったかもしれない。 お国の....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
て他に何等の害をも加えぬと云うことを町の人に知られている為か、とにかく、彼は町の
名物男として、一人この特権を得ていたのである。彼は町を廻るに病院服のまま、妙な頭....