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名産
「名産〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
名産の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
、こう御勧《おすす》め下さいました。
「どうじゃ、その汁の味は? それはこの島の
名産の、臭梧桐《くさぎり》と云う物じゃぞ。こちらの魚《うお》も食うて見るが好《よ....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ひま》をつぶしたり、組み立て細工《ざいく》の木枕《きまくら》をして(これはここの
名産です。)昼寝をしたりするだけです。五六日前の午後のことです。僕はやはり木枕を....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
合う儀礼が交換され、空《から》になった酒壜は殖えていった。ホーテンスはこの土地の
名産であるところの一種の鱒《ます》の燻製《くんせい》をたいへんに褒めて食べた。 ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、 「好的」と、主人はまた笑った。(昭和7・6「都新聞」) 仙台五色筆 仙台の
名産のうちに五色筆というのがある。宮城野の萩、末の松山の松、実方中将の墓に生うる....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
て頂きとうございます。その代り博士のお望みは何なりと……それに特別精製のアメリカ
名産バイソンの燻製を一口召上って下さいまし。これこそ世界最高の珍味でございます」....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
間四里、聞えた加賀の松並木の、西東あっちこち、津幡まではほとんど家続きで、蓮根が
名産の、蓮田が稲田より風薫る。で、さまで旅らしい趣はないが、この駅を越すと竹の橋....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
向島ではこれらの風流人を迎えて業平しじみとか、紫鯉とか、くわいとか、芋とか土地の
名産を紹介して、いわゆる田舎料理麦飯を以って遇し、あるいは主として川魚を御馳走し....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
いな処かと言われます――この水が鐘を鍛えるのに適するそうで、釜、鍋、庖丁、一切の
名産――その昔は、聞えた刀鍛冶も住みました。今も鍛冶屋が軒を並べて、その中に、柳....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
た時のことである。折から鉄道工事の最中なので、大勢集っていた工夫たちにまじって、
名産の「ななわらい」を一杯試みた。今湯上りの泡盛が、鶴見にそれ以来の快味を覚えさ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
たので、かれは諸国の大小名から進物として贈って来た修禅寺紙、有馬筆、伊勢|荒布の
名産を中間に持たせて行った。微行といっても、この間とは違って表向きに父の許しをう....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
、李の実を冷して売る。…… 名代である。 二 畠一帯、真桑瓜が
名産で、この水あるがためか、巨石の瓜は銀色だと言う……瓜畠がずッと続いて、やがて....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
た。椿岳は実にこの椿岳国という新らしい王国の主人であった。 この椿岳国の第一の
名産たる画はどんな作である乎、先年の椿岳展覧会は一部の好事家間に計画されたので、....
「カンナとオンナ」より 著者:北大路魯山人
わたしの坐っているうしろには、紙を細く切って、それに、全国から集まった材料や、
名産の名前が書いてある。新しく送られた品は、すぐ、この細い紙に書き入れられて張ら....
「扉の彼方へ」より 著者:岡本かの子
かな気持ちになったらしい声で微笑しながら、 「この先の八幡が君の大好物の蒟蒻玉の
名産地だそうだよ。今晩の夕飯に宿へ取寄せて貰って沢山食べ給えよ」....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
物売りに化け、彼の船室に入り込んだのです。 港へ船が着くと、よく土人や支那人が
名産物を持って、ガヤガヤと入り込みます。私はその中に交って、弟の室に入り、中から....