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向う
「向う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
向うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ごく滑稽に鳴くように教えこみ、それを連れこんでイカバッドが彼女に讃美歌をおしえる
向うを張ったのである。 このようにしてしばらく時がたち、二人の競争者のあいだの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は半円形になった聴講者の腰掛がならべてあり、一列毎に段々と高くなり、その上には大
向うの桟敷に相当する席もあり、全体で七百人位は入れる。 この室はファラデーの時....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
は急に父親のいないことに気がつき、きょろきょろあたりを見まわしはじめる。それから
向うに何か見つけ、その方へ一散《いっさん》に走って行《ゆ》く。
....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
記憶に照して見ても、そうでなかった事は一度もない。唯、この弟たるべき自分が、時々
向うの好意にもたれかゝって、あるまじき勝手な熱を吹く事もあるが、それさえ自分に云....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
恨に思って、暮方《くれがた》その職人の外へ出る所を待伏せて、いきなり鉤《かぎ》を
向うの肩へ打ちこんだと云うじゃありませんか。それも「主人の讐《かたき》、思い知れ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
で一ひらの木《こ》の葉のように、見る見る黒犬は空へ舞い上って、青雲《あおぐも》の
向うにかくれている、遠い生駒山の峰の方へ、真一文字に飛び始めました。
....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
いた。すると誰か戸を叩《たた》いて「もし、もし」と僕に声をかけた。僕はその雨戸の
向うに池のあることを承知していた。しかし僕に声をかけたのは誰だか少しもわからなか....
「運」より 著者:芥川竜之介
云っているのだか、いくら耳を澄ましても、わかりませぬ。その時、何気なく、ひょいと
向うを見ると、常夜燈《じょうやとう》のぼんやりした明りで、観音様の御顔が見えまし....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
のまわりにはずっと前から、大勢《おおぜい》の見物が取り巻いている。そのまた見物の
向うの空には、墓原の松が五六本、天蓋《てんがい》のように枝を張っている。
一切....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ねえ、私は何も名のつくような病気じゃないと思っていたんだよ。」
洋一は長火鉢の
向うに、いやいや落着かない膝《ひざ》を据えた。襖《ふすま》一つ隔てた
向うには、大....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
《そうろうあいだ》、死んでしまいます。わたくしの死がいは「た」の字病院へ送り、(
向うからとりに来てもらってもよろしく御座《ござ》候。)このけい約書とひきかえに二....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
して、かなり贅沢《ぜいたく》な暮しをしていました。
「私はこう云っている中にも、
向うの銅板画の一枚を見るように、その部屋の有様が歴々《ありあり》と眼の前へ浮んで....
「影」より 著者:芥川竜之介
、息苦しいくらい支配していた。その寂寞を破るものは、ニスの※《におい》のする戸の
向うから、時々ここへ聞えて来る、かすかなタイプライタアの音だけであった。
書類....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
《あ》ったら、こんな話を聞かせられた。)
この間、社の用でYへ行った時の話だ。
向うで宴会を開いて、僕を招待《しょうだい》してくれた事がある。何しろYの事だから....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
》や鶏冠《とさか》をすり合せながら、絶えず嬉しそうに鳴いているのを見た。そのまた
向うには、――オルガンティノは、今更のように、彼の眼を疑わずにはいられなかった。....