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向き
「向き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
向きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
だった。 仰天した先生のかみの毛は、恐怖のために逆だった。どうすればよかろう。
向きをかえて逃げだそうとしても、もう間に合わない。それに、とても逃げおおせるもの....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、入口の所でこみ合って喧嘩椅子にかかりて、西
向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に眠るがごとくにこの世を去り、静かに墓地に....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
中を見廻しました。机の上にはさっきの通り、魔法の書物が開いてある、――その下へ仰
向きに倒れているのは、あの印度人の婆さんです。婆さんは意外にも自分の胸へ、自分の....
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
見た格子戸《こうしど》造りの家の外部。家の前には人力車《じんりきしゃ》が三台後ろ
向きに止まっている。人通りはやはり沢山ない。角隠《つのかく》しをつけた花嫁《はな....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
よくよく可笑《おか》しかったものと見えて、傍《かたわら》の衝立《ついたて》の方を
向きながら、苦しそうな顔をして笑をこらえていた。
「伝右衛門殿も老人はお嫌いだと....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
ち》、たちまちまた静かになってしまった。それは孫七が悲しそうに、おぎんの方を振り
向きながら、力のない声を出したからである。
「おぎん! お前は悪魔《あくま》にた....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
女はちょいと云い澱《よど》んだ後《のち》、今度は朗読でもするようにすらすら用
向きを話し出した。新之丞は今年十五歳になる。それが今年《ことし》の春頃から、何と....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
掻巻《かいまき》をかけたお律《りつ》は氷嚢《ひょうのう》を頭に載せたまま、あちら
向きにじっと横になっていた。そのまた枕もとには看護婦が一人、膝の上にひろげた病床....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
う心配もなくはないので、せめて権妻《ごんさい》でも置いたらどうだと勧《すす》めた
向きもあったそうですが、元よりそんな忠告などに耳を借すような三浦ではありません。....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
蓮《れん》は、やむを得ず気のない体を起して、薄暗い玄関へ出かけて行った。すると北
向きの格子戸《こうしど》が、軒さきの御飾りを透《すか》せている、――そこにひどく....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
うかと存じております。先生はお嫌《きら》いでございますが、やはり俗物にはあの辺が
向きますようでございますな。」
「ははあ、さようかね。」
馬琴の記憶には、いつ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
イスキイを一杯」と命令した。そうしてそれが来るのを待つまでもなく、本間さんの方へ
向き直って、鼻眼鏡の後に一種の嘲笑の色を浮べながら、こんな事をしゃべり出した。
....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
木さんにこう言われると、忽ち下司らしい気がし出した。 それから又島木さんは後ろ
向きに坐ったまま、ワイシャツの裾をまくり上げ、医学博士の斎藤さんに神経痛の注射を....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
簾《すだれ》を払って、「どうじゃ。この殿に違いはあるまいな。」と、仲間の方を振り
向きながら、念を押したそうでございます。その容子《ようす》がどうも物盗りとも存ぜ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ぬほどじゃ。事によると成親の卿は、浄海入道よりひがんでいるだけ、天下の政治には不
向きかも知れぬ。おれはただ平家《へいけ》の天下は、ないに若《し》かぬと云っただけ....