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「向ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

向けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。が、さもないものがこの中にあって、わずかばかりの金銀が欲しさに、予が身を白刃に向けるとすれば、そやつは二つとない大事な命を、その褒美《ほうび》と換えようず阿呆....
河童」より 著者:芥川竜之介
ません。しかしそれもほんとうのところは追いかけずにはいられないように雌の河童が仕向けるのです。僕はやはり気違いのように雌の河童を追いかけている雄の河童も見かけま....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
。何小二が鞍の前輪へつっぷすが早いか、一声高く嘶《いなな》いて、鼻づらを急に空へ向けると、忽《たちま》ち敵味方のごったになった中をつきぬけて、満目の高粱畑《こう....
路上」より 著者:芥川竜之介
。 「そんな事を。」 辰子はすぐに眼を伏せたが、やがて俊助の方へ後《うしろ》を向けると、そっとピアノの蓋を開けて、まるで二人をとりまいた、薔薇《ばら》の※いの....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
が、踏切りの見えることはやはり不安には違いなかった。彼はそちらに背中《せなか》を向けると、もう一度人ごみの中へ帰り出した。しかしまだ十歩と歩かないうちに、ふと赤....
将軍」より 著者:芥川竜之介
謀はまだ通訳と、二人の支那人を検べていた。それが急に田口一等卒へ、機嫌の悪い顔を向けると、吐《は》き出すようにこう命じた。 「おい歩兵! この間牒はお前が掴《つ....
誘惑」より 著者:芥川竜之介
ポレオンは手の平のまん中に立ち、ちょっとあたりを眺めた後、くるりとこちらへ背中を向けると、手の平の外へ小便をする。 43 前の山みち。「さん・せばす....
或る女」より 著者:有島武郎
なってみんなと談判でもしていらっしゃるでしょうよ。見えるようですわね」 と水を向けると、木村は始めて話の領分が自分のほうに移って来たように、顔色をなおしながら....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
うとしている。彼らはいわゆる社会運動家、社会学者の動く所には猜疑《さいぎ》の眼を向ける。公けにそれをしないまでも、その心の奥にはかかる態度が動くようになっている....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
つけても波の反対の側をひた押しに押す風の激しさ強さが思いやられた。艫を波のほうへ向ける事も得しないで、力なく漂う船の前まで来ると、波の山は、いきなり、獲物に襲い....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
んで生きる外に残される何事があろうぞとその人達はいう。その心持に対して私は白眼を向けることが出来るか。私には出来ない。人は或はかくの如き人々を酔生夢死の徒と呼ん....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
)、しかし太陽の潮汐作用のためにこの運動を減殺され、ついにはいつも同じ側を太陽に向けるように、すなわち、右回りの回転をするようになり、その自転周期は公転周期と同....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
やっていた。子供らはラザルスを怖がりもしなければ、また往々にして憐れな人たちに仕向けるような悪いたずらをして揶揄いもしなかった。かれらはまったくラザルスには無関....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に祀るまでの話が出た訳ではなく、時々思い出しては、野良への往来に私の墓に香花を手向ける位のことだったそうでございますが、その後不図とした事が動機となり、とうとう....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
を捕え、できる丈|之を培養し、補修して、以てわれ等の通信の目的に副わせるように仕向ける。無論彼の懐ける独断的意見には、斧鉞を加えねばならぬが、格別害にもならぬ意....