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「向上心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

向上心の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
す。 あなたは従来暗いいくつかの過去を持っています。それが知らず知らずあなたの向上心を躊躇《ちゅうちょ》させ、あなたをやや絶望的にしているのではないのですか。....
禁酒の心」より 著者:太宰治
るが、一たいどんな具合いか、いまのうちに是非実験をしてみたい、などというつまらぬ向上心から、いつのまにやら一ぱしの酒飲みになって、お金の無い時には、一目盛の酒を....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
が笑う。妹さんの云う通りだ、東京がいやというは活動を恐れるのだ。活動を恐れるのは向上心求欲心の欠乏に外ならぬ。おれはえらい者にならんでもよいと云うのが間違ってい....
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
くの無名の芸術家が、その足下に埋草となっているのだ。無名の芸術家でも、その芸術的向上心において、芸術的良心において、決して天才の士に劣っているわけはないのだ。彼....
灯籠」より 著者:太宰治
人間は、学問がなければいけません。先日、友人とともに海水浴に行き、海浜にて人間の向上心の必要について、ながいこと論じ合った。僕たちは、いまに偉くなるだろう。さき....
秋風記」より 著者:太宰治
真実。」 「野暮だなあ。じゃあ、忍耐。」 「むずかしいのねえ、私は、苦労。」 「向上心。」 「デカダン。」 「おとといのお天気。」 「私。」Kである。 「僕。」....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
第一の尖兵戦、江戸ッ児はかくして三百六十五日その負けじ魂を磨きつつあるのである。向上心をそそりつつあるのである。 いうを休めよ、三月の下り凧は江戸ッ児の末路を....
連環記」より 著者:幸田露伴
其処まで出世していたことは、一は其人物が英発して居って、そして学問詞才にも長け、向上心の強い、勇気のある、しかも二王の筆致を得ていたと後年になって支那の人にさえ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
て旧態を守り、これと同様に、地上にありて品性の高潔なるもの、志操の確実なるもの、向上心の強きものは、死後に於て、決して悪魔の徒弟とはならない。汝がこれしきの真理....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
っと崇高な精神で自分の発見に近づいたのであったら、もし私が高邁な、あるいは敬虔な向上心に支配されている時にあの実験を敢行したのであったなら、すべては違った結果に....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
のだからだ。若者はいつの時代もそういうものだ。 けれども年と共に正義感は衰え、向上心は失われ、世間ずれのした不平家や、悟りすました大人になってしまう。 だか....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
と思う。 ★ しかし、私が話を交した三人の選手のヒタムキな向上心や、彼らによって物語られた選手の私生活について考察しても、選手自体は概ね勝....
水鳥亭」より 著者:坂口安吾
一種になればいい方で、甘酒にしかならないことが多い。金時にはマゴコロがあったが、向上心がなかったので、ドブロクの製法が上達する見込みはなかった。亮作は甘酒ができ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
、叔父の鋭鋒をあしらいつつ、私や、重子をかばってくれた。叔母は賢い、物やさしい、向上心の強い婦人であった。もし境遇さえよければ、何でも勉強して、偉くなれる素質で....