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君子人
「君子人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
君子人の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
何のために一粟野廉太郎の前に威厳を保ちたいと思うのであろう? 粟野さんはなるほど
君子人かも知れない。けれども保吉の内生命《ないせいめい》には、――彼の芸術的情熱....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
花はこの黄村の吝嗇から芽生えた。八歳になるまでは一銭の小使いも与えられず、支那の
君子人の言葉を暗誦《あんしょう》することだけを強いられた。三郎はその支那の
君子人....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
結句のおしのびにてうんぬんかしこといったあたり、春情春意おのずから整って、いかな
君子人が読んだにしても、そのなまめかしさ、いろめかしさ、あきらかに差し出し人は女....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
醜悪ニシテ、怖ルベキ勁烈《けいれつ》ノモノトナシ、或者ハ、温厳兼ネ備ヘタル秀麗ノ
君子人トナス。 アンジェリコ、ミケランゼロ、レオナルドダビンチ、ラファエル及チシ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、こいつが無ければ人は死ぬ気にならんのだ、怪しからん奴、憎い奴、と言って、岡野は
君子人だが、その
君子人が刀を抜いて、首くくり松の首くくり松たる所以《ゆえん》の、....
「囚われ人」より 著者:豊島与志雄
冗談なんかいくら飛ばしたって構やしない。だが、相手が生真面目な女性だとか、謹厳な
君子人だとかの場合には、後から弁解のしようもないことに立ち到らないとも限らない。....
「西荻随筆」より 著者:坂口安吾
ているのに、こういう時に限って、一人も豪傑が現れない。谷崎精二先生のような温厚な
君子人が現れるばかり、ままならぬものである。 両店を往復しているうちに、私はメ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。清廉潔白百年|稀に見る
君子人として世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦爛たる勲章よりもヨリ以....